おっさんだった俺が美少女になって高校生からやり直してみたら人生クッソチョロかった~あの時イジめてきた奴がお近づきになりたいらしいけど気持ち悪いから消えなさい~
第128話 女子高生(おっさん)の修学旅行~③日目『琉球inリベンジャーズ』
第128話 女子高生(おっさん)の修学旅行~③日目『琉球inリベンジャーズ』
〈AM11:30 アメリカンヴィレッジ内 軽食屋『メリカン・ドラケン・土左衛門』〉
「さ、マイハニーとフレンズ……エンリョせずに入ってくれ」
アメリカンヴィレッジにて、謎のハリウッドイケメン【マイコー】に出逢ったおっさん達は……誘われるがままにパーク内にある訳のわからない名前の店で早めの昼食を取る事となった。
内装は正にカラフルなアメリカン模様で全く落ち着かない、ピンクの壁、紫色のカウンター、赤い椅子……目が痛いし寝不足なおっさんにこの色彩はキツい。
そして更に、店には色とりどりなハーフな感じのイケメンが沢山いた。なんで客まで全員イケメンパラダイスなのかわからないけど……イケメンズはおっさん達が中に入るとなんか騒ぎ出した。
「マイコー! そこの可憐な少女は誰だい!?」
「oh、Mrs大和撫子ガール!!」
「はは、俺の運命の人さ。お前らハニーにもそのフレンズガールにも手を出すなよ?」
どうやら、どうでもいいけどマイコーはこの集団のトップらしい……店長とかオーナーなのだろうか。
なにやらキッチンにいる連中に指示を出しておっさん達をソファー席へと案内した。周囲のイケメンズは特に俺をガン見している。とりあえず『ヒナヒナ達に手を出したり色眼鏡で見たりしたら殺すよ?』という想いを込めて睨みを効かせた。しかし何を勘違いしたのか……ウインクしてきたり微笑んだり喜んでいる。
これだから陽キャは嫌なんだとげんなりしていると……聞き覚えのある琉球弁が耳に飛び込んできた。
「あー! アシュナちゃんんじ!? またいちゃらりーんなっくぇー奇遇やいびーさぁ!」
「……え? 【忽那】さん?」
ヤクザ達と出逢った店の従業員さんだった。
ヤクザイベントの時に知り合いになった彼女の名は【忽那(くつな)波創(なつく)】。
女子大生であり、様々な場所でバイトを掛け持ちしているとだけ聞いてたけど……まさかここでも会えるとは思っていなかったので驚く。
「あしばーさんてーんじゃなくてぃマイケルくんとぅむう知り合いなたが? アシュナちゃんモテモテやんにぇ!」
「……ごめん、誰か琉球弁わかる?」
「あ、えっと……『ヤクザさんだけじゃなくてマイケルさんともお知り合いなの』って言ってるよ」
通訳してくれたのは『髪オバケ』こと陰キャ【イオリ】だ。そういえば関係あるかわからないけどイオリは学年トップの頭脳の持ち主だった。
「マイコーってそんなに有名なんですか?」
「マイケル君ー米軍基地総合司令官ぬいきがんぐゎさんっし……くぬ辺りぬ【るーちゅー(りゅうきゅう)卍海(ばんかい)】っていうチームのリーダーやさ」
「『マイケルさんは……べ、米軍基地総司令官の息子さんで……この辺りの【琉球卍海】っていうチームのリーダーだよ』……だって」
イオリが青ざめた表情で通訳する。
なんのチームか知らないけど……名前からして草野球チームじゃない事は確かだった。ていうか前世で大ヒットしていた【東京●ベンジャーズ】の丸パクり。明らかに暴走族。
「マイケル君ーマジメさんとぅんかてぃてぃ……んかしぇー仲良さたるんやんしが……」
「『マイケル君とマジメさんは対立してて……昔は仲良かったんだけど』って……」
(……マジメさんって……【琉宮會】の三代目? そういえば三代目もマイコーがどうとかって言ってたような……ヤクザと暴走族だからまぁそれなりに接点はあるんだろうけど)
そういえば親父さんとの話し合いは上手く言ったかな~なんて呑気に考えていると、いつの間にか隣に座っていたマイコーがまたも俺の両手を握って言った。
「マイハニー、実は聞いて欲しい頼みがあるんだ。俺と結婚してほしい」
「嫌だよ!! ていうかそのネタ何回目!? どいつもこいつも出会い頭に結婚申し込みすぎだから!」
寝不足のおっさんは、さすがにしつこい求婚ネタに思わず声を荒げた。
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