第110話 女子高生(おっさん)と新たな出会い④~【養護教諭】2


〈生徒会第一教室〉


「んっ……ぁっ……」

「うふふ……なんて可愛い声で鳴くのかしら……これまで色んな女の子と絡み合ったけど……間違いなく一番の逸材よ……油断すると私の方が溺れちゃいそう……」


 現在──スーパー銭湯以来の、大人のお姉さんとのえちな行為が……学校の教室で行われている。

 養護教諭である桜花(クラハ)先生による、口に出すのも憚(はばか)られるようなえっちなお仕置きだ。後輩を守りたい──その想いで矢面に立った俺の身体に先生の魔の手が纏(まと)わりつく……しかし、当のおっさんはばっち来いの精神でそれを迎え打つ。


「あぁ……私達のために……アシュナ様が……」

「ふふ……じゃあやっぱり貴女達が代わりにする……?」

「絶対に手を出しちゃダメっ……! 私に任せてっ……私は……この学校を守りたいっ……!」

「アシュナ様……」


 決して邪魔されたくないからではなく、厭(いや)らしい気持ちでもなく、邪(よこしま)な気持ちでもなく──後輩達を制止する。


「逃げてっ……! ここにいたらあなた達までやられるっ……それにこんな姿見られたくないからっ……」

「「──は、はいっ!」」


そして、一人占めするため……じゃなくて、危険が及ばないように適当な理由をつけて後輩達を教室から遠ざけた。見られながらするのも乙なものだけど、今日はこの快感を独占したい──じゃなくて。


「うふふ……見られながらするのも良いのに……次はここよ……」

「んぁっ……!」


 焦らすような指使い……まさしく、先生はプロだ。

 きっとこうやって女子生徒を毒牙にかけていたのだろう……もっと早くやってもらえば良かった……じゃなくて、もっと早くやってもらえば良かったと後悔する。

 はだけるYシャツ、限界までめくれるスカート、快感により滲(にじ)み出る汗……この場に男子がいたらアシュナの乱れる姿を見て性欲が爆発するだろう。


「うふふ……さぁ、お遊びはここでお仕舞い……もっと激しくいくわよ」


 今までのが前戯っ!? ……じゃなくて前座!? と戦慄する。

 一体ここからどんな楽園(パラダイス)が……じゃなくて拷問が待っているのかとワクワク……じゃなくてドキドキしていると教室の扉が突然開いた。


「そこまでですわっ、桃彩教諭! 信仰教の一員でありながら貴女の蛮行は見過ごせませんわ! アシュナを今すぐに解放なさい!」


 邪魔……じゃなくてめらぎが救(たす)けに来た。どうやら後輩達が呼び掛けてくれたらしく後輩達も同時に決意の覚悟で飛び込んできた。

余計な事しやがって……じゃなくて、救いに来てくれたことに感謝した。


「あら、残念……会長に言われたらしょうがないわね……せっかく覚えたての指圧マッサージを試してみようと思ったのに……」

「「「……へ?……マッサージ?」」」


俺を含め、めらぎも後輩達も全員がキョトンとした。


「そうよ? けどこんな場所でやる事じゃなかったわね……ごめんなさい。ちょっと悪ふざけが過ぎたわ」

「「「……」」」


 皆で顔を見合わせる、口に出さずとも思ってることはきっと共通していただろう。

 こちらこそごめんなさい、保健室の先生の大人の女性教諭=絶対えっちなことされるって思い込んでました──と。

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