銀河鉄道の夜の、孤独

ジョバンニは孤独だったのだろうか

カムパネルラを追いかけて それでも愛を手渡しに行った

死者と生者の行き先は違う

否 一人ひとりの行き先が違うのだ

だから私達は生きていても寂しいのだ

どうして伴侶が必要なのか 孤独を埋めるため

でも死ぬときは一人

その一人を背負って立つことのできる少年

だからカムパネルラと別れた

食べた林檎は同じ味ではなくて

でも美味しいねと笑い合うことはできる

美しい孤独の宇宙に星のように流れる銀河鉄道の

淡い鎮魂と祝福のメロディが

耳をすませば聞こえてくる

孤独な魂を乗せて今日も運行している

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る