ウテナ、私の王子

ウテナのような王子様が身近にいたなら

とても眩しい存在だったろう


彼女が目指した王子様とは違っても

彼女は彼女自身として光っていた


ウテナになりたい女の子 ウテナに守られたい女の子 当時はたくさんいたんだろう

私はウテナではなくて どちらかといえば守られるアンシーで

ひどく教条的な決まりに囚われていた

身近には光る少女がいて

いつも翳のように寄り添っていた

私には彼女が必要で きっと彼女は私が必要で でも中々お互い大事にできなかった

何かにつけて反目しあっていたように思う


あなたはどうせきらきらした恋愛ものが好きなんでしょうと 侮っていたこともあった


離れた今なら たまに会っては慈しみ合える きっと大丈夫


男性の統べる園を後にして 私は彼女の手を取る もうあなたを傷つけはしないわ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る