いじめられっ子の僕: 10のケース
@ebullience
エピローグ 僕はいじめられている
ぼくの名前はまもる。中学2年生、学校では壮絶ないじめにあっている。昨日は掃除の時間に同じクラスのミゾグチに雑巾を口に入れられた。窒息しそうになって、みんなの目の前で壮大に吐いててしまった。昼ごはんのあとだったからたくさんはいた。吐いた嘔吐物がクラスの女の子のスカートにかかって悲鳴が聞こえた。クラスのみんなは大爆笑していて誰も助けてくれなかった。
ミゾグチは中学2年生なのに175cmもあって腕力も強い。だからやられっぱなしなんだ。取り巻きのホソダやユキサダはミゾグチの手下だ。ぼくがいじめられていなかったら、やつらがミゾグチにいじめられていただろうな。ホソダは名前のとおりに痩せっぽちで、ミゾグチにはおべっかばかりを使っている。ユキサダはでぶっちょで馬鹿だ。あとミゾグチの友達のハセガワはあまり表立っていじめには参加しないけど、頭が良くていつも影でどんないじめが面白いか、ミゾグチに提案している。僕がいじめられているのを見てほくそ笑んでいるんだ。
あぁ嫌だなぁ死にたいなぁ、と思いながら、今日も学校へ行かなきゃいけない。お母さんにはなんども仮病を使おうとして失敗している。もう制服も着ちゃったし、かばんも持った。ドアの前の大きな道路。学校へ続く道。僕にとっては地獄への道っていうところかな。あるきながら今日はいかにして、ミゾグチの目につかないか、考えている。
僕の家の前の大きな幹線道路の脇の歩道を車や自転車に気をつけながら、下を向きながらトボトボと歩く。しばらくあるいて交差点を渡って更にずっと歩く。すると川が交差している。川っていったって大したことない。ただの人工の川で、水の量もチョロチョロとしかない。この川を見るといつもぼくの人生のようだな、と思うんだ。コンクリで作られて、生気ってやつがなく、水の量はホースからでる水かよっていうくらいチョロチョロと細い。
幹線道路と川の交差するところに橋がかかっていて、ぼくの学校はここを左に曲がって川に沿って真っすぐ行けばあるんだけど、橋の下にいつもなんか雑誌がおいてあるんだ。ホームレスの人かなんかがおいてったんだろう。よくあるやつ。だいたいエッチな本ばっかりだから、気にはなるけど、いつも素通りする。ぼくにはそういうのに興味を持てるほどなんか余裕がない。ていうかいつも死にたいと思ってるし。死ぬ勇気ないけど。
でもなんか今日はそこにいつもと違う本がおいてあったんだ。
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