第5話暴かれた惨劇

大島たちと飼育員によって、だいたいの動物たちは避難が完了していた。

しかし動物にもよるので、まだ避難できていない動物もいる。

やはり早急にヒグマを倒さないと、甚大な被害は確定だ。大島は警察の特殊部隊とマタギの北山と共に、ヒグマの討伐へ乗り出した。

「北山さん、もしヒグマがいるとしたらどの辺りですか?」

「ヒグマは山奥の森にいる、ここは山のように木が生えてはいないが、いるとしたら木が生い茂る場所だろう。」

「木が生い茂る場所・・・、星が丘門辺りかな。」

星ヶ丘門は東山動植物園の植物園側にある門で、風景がいいスポットに恵まれ、周辺にはいろんな植物が植えられている。

植物園エリアにつくと、温室の近くにまだ新しい大きな赤い血のあとがあった。

「うっ!これは・・・。」

「これは人の血だ、もう犠牲者が出ていたとは・・・。」

血のあとはそこから日本庭園の方角へと続いている。

大島たちは血のあとを辿ると、日本庭園の近くで血のあとは消えていた。

大島たちは合掌造りの家・日本庭園・湿地園の周辺を捜索していた・・・、その時だ!

「ぎゃーっ!!」

捜索していた緑山の絶叫が聞こえた。

「どうした!」

大島たちが緑山のところへ向かう。

「あっ・・・あれ・・・」

へたりこんだ緑山が震えながら指差す方にあったのは、右側がえぐれている人の顔と片腕が地面にうずめられている光景だ。

その光景に大島も北山もかけつけた警察も、絶句して息を飲んだ。

「これは酷い・・・。」

「可哀想に・・・、ヒグマを倒したら回収してやるからな。」

こうして、この事件の被害者がいることがわかった大島は、ヒグマ討伐の決意を固めた。


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