ビッグボスの不思議体験「東山動植物園VS三毛別のヒグマ」

読天文之

第1話ヒグマ出現

十二月十八日、東山動植物園は大勢の人で賑わっていた。

「みんな、楽しんでいますね。」

「ええ、久しぶりの遠足ですので。」

大島財閥の当主・大島愛知は仲間たちと一緒に、東山幼稚園の子どもたちを東山動植物園へ案内していた。

大島愛知率いる秘密結社「名古屋老若連合」は、名古屋を中心に愛知県民が平和に暮らせるために活動している集団。

今回は東山幼稚園から「遠足に付き添ってほしい」と依頼を受けて、仲間の友近・緑山と中学生のイーサンたちと一緒に、東山動植物園へやってきた。

「イーサン、この後やるマジックショーの準備は大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ。ちびっ子たちを喜ばせるための用意は、準備万端だよ!」

イーサンたち「チーム・ブンガブンガ」は、マジックショーの活動をしている集団、今回は東山動植物園でちびっ子たちにマジックショーをするためについてきたのだ。

幼稚園のちびっ子たちは、初めて見る生きている動物を喜びながら見ていた。

そしてお昼になり大島たちとちびっ子たちは、上池の近くに集まってお弁当の時間にした。

ちびっ子たちがそれぞれ持ってきたお弁当を食べている光景は、大島にとって微笑ましく気持ちいいものだった。

だがこの時間は突然終わり、恐怖の時間がやってくる・・・。

「ただいま、植物園エリアにてクマが現れました。お客様は速やかに避難してください。」

けたたましい警報と一緒にこのアナウンスが繰り返し流れた。

「えっ!?なんでクマが!?」

「やばい、早く逃げないと!!」

大勢の人たちが大慌てで出口へ駆け込む、ちびっ子たちも先生も大慌てだ。

「とにかく子どもたちの避難が最優先だ、イーサンたちと友近は先生たちと一緒に子どもたちの避難を手伝って!」

大島は冷静に指示を出すと、東山動植物園で働いている知り合いの東久道あずまひさみちに電話をした。

「もしもし、クマが出たってどういうこと?園内のクマが逃げ出したの!?」

東山動植物園にはエゾヒグマ・二ホンツキノワグマ・メガネグマがいる、大島はその内の一頭が逃げ出したのかと思っていたが・・・。

「それが園内のクマではなく、突然現れたヒグマなんです。しかもとても大きいのが!私も信じられません!」

大島は驚きのあまり呆然としたのだった・・・。


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