我が家の年越しそば
@pipiminto
第1話
「じゃあ後は3分待つだけね」
お母さんはそう言って砂時計をひっくり返した。
今日は大晦日。
炬燵の上にはお湯を注いだカップ麺が3つ。
「なんでうちの年越しそば毎年コレなの?」
普段の食事に蕎麦が出るときはお母さんが茹でた蕎麦が出ているし、おせち料理も半分以上はお母さんの手作りなのに。
年越しそばだけは毎年カップ麺。美味しいから不満はないけど何となく不思議で聞いてみるとお父さんが咳払いした。
「いや、嫌って言ったんじゃなくて…」
怒られる気がして慌てて口を開いたらお母さんがクスクス笑い出した。
「お父さん照れてるのよ」
「えっなんで?」
「いいだろう、うまいんだから」
「あれはお父さんとお母さんがまだ結婚する前ね、」
「ちょっと…」
「いいじゃないの」
焦り出したお父さんを横目にお母さんは嬉しそうに話し始めた。
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