異世界転生の際に女神様に異世界最強のスキルを貰った!
北比良南
女神様に頼んでスキルを貰いました。
私の人生は平凡だった。
普通の両親に育てられ、普通に学校に行き、普通に就職し、普通に結婚し、普通に生き、普通に逝った。
そんな私の生前の趣味…それは投稿された異世界物の小説を読む事だった。
私は平凡な人間。
だからこそ異世界物の主人公の活躍に憧れた。
英雄譚、ハーレム、冒険譚、ざまぁ、俺最強…数え上げればキリがない物語の数々…それらは私を夢中にさせ、熱狂させた。
その想いが強かったのか亡くなった今、異世界へと誘う女神様にこうして会うことが出来た。
「鈴木太郎さん…あなたの異世界への憧れ…私は心を打たれました」
「女神様もしかして…私は異世界へ転生できるのですか?」
「えぇ…あなたを異世界へ転生して差し上げましょう…勿論あなたが生前お好きだった異世界転生物の小説と同じ様に何か欲しいスキルを仰ってください。どのようなスキルでも一つだけあなたが使えるようにいたします。鍛冶スキルでも良し、錬金スキルでもよし、全ての魔法を使えるスキルでも良いですし、ガチャスキルとかも面白いかもしれませんね」
女神様の言葉に自分の気持ちが高揚するのが分かる。
とてもワクワクする!
異世界へ旅経つ前の主人公たちはきっとこんな気持ちだったんだな…そして悩んだ末私が選択したスキルは…
「女神様! 異世界最強のスキルを私にください!」
「えぇ…わかりましたあなたに異世界最強のスキルを授けます」
「…ありがとうございます!」
「さて鈴木さん…これから異世界へと転生するわけですが、転生する為、0歳からのスタートになります。ですが今のあなたの思考はそのまま残しておきます。それから異世界の言語の方は分かるようにしておきます。それと生まれる場所は裕福な貴族にしておきましょうか…あなたに優しく愛情を注いでくれる両親を選んでおきました。それからあちらの世界へ行ったらステータスオープンと念じればいつでもステータスやスキルを確認できます。以上長くなりましたが第二の転生人生を満喫してください」
「女神様ありがとうございます」
光が私を包んでいく…そして優しい笑顔で手を振ってくださる女神様…
こうして私は転生したのだった…
―異世界のとある貴族の家―
「おぎゃぁおぎゃぁおぎゃああ」
「奥様!旦那様!元気な男の子が無事生まれましたよ」
「そうか!よくやったなエマ」
「頑張りましたわサンダー」
「よし!この子の名前はトン」
言い終わる前にエマが
「その名前は使ったらいけない気がしますわ…そうねジュラにしましょう」
「ジュラか…うん…そうしよう」
転生した私を待ち受けていたのは、優しそうな父と母だった。
周りの人も暖かな目を向けて私を祝福してくれている。
転生したんだな…としみじみと思う
そうだ!しみじみしてる場合じゃないな…女神様から頂いたスキルを確認しないと…頭の中でステータスオープンと念じた。
目の前にブブーンっとステータスプレートが現れる、異世界転生の小説と同じだ!私は喜びに打ち震える
ジュラ 0歳
Lv1
力 1
体力 1
魔力 1
敏捷 1
幸運 20
資質
※平凡 特に得意も不得意もなく平凡
※異世界言語 どの異世界でも通用する言語翻訳の資質
魔法
未習得
スキル
カタストロフィー ※一度使うと世界が滅ぶ程のスキル、異世界最強のスキル
…頭が真っ白になった。
このスキルは使えない
この後、私は成長していくのだが、異世界を平平凡凡に生きるのだった。
それは前世と変わらなく普通に生きる事だった。
普通に学校に行き、普通に両親の仕事の補佐をし、結婚をし、子を成し、両親の仕事を引き継ぎ、子供達に囲まれのんびり余生を送った…
ただ一つ前世と違う事は裕福な家庭で愛情を注がれて育った点。
前世よりも豊かに生きれたのでこれはこれで幸せだったかもしれない…
こうして私は異世界でも人生を終えた…
そうそう…当たり前の話だが、こんな物騒なスキル使う事は出来なかった…
―女神様が住まう世界―
「うふふふふ…スキルの選択を間違った憐れな男」
そう…この女神様は知ってて異世界最強のスキルを授けたのだった…
その顔は弱者を甚振るそれであった…
「うふふふふ次は誰を異世界に送って観察しようかしら」
女神の観察はまだまだ続きそうであった…
異世界転生の際に女神様に異世界最強のスキルを貰った! 北比良南 @omimura
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