作戦No.0031 情報
「防御力はかなりのものらしいのだが…どんな性能かは分からないのだ。戦うときは必ずこれを着ろと言われているから着ている」
「分からないの?」
「ああ、着とけば絶対に安全らしいが…こんなもんが戦場で役に立つか…」
胸しか守られていないそれを、拳でゴンゴンと叩きながらヴィスは言う。リアンも同意見だ。仮に銃弾を弾く性能であったとしても、絶対に安全とは程遠い。
しかしヴィスがその鎧の性能を知らないというのであれば、それ以上聞く必要もないとリアンは判断した。
ならば別の、もっと有益なことを聞かねばなるまい。この状況はピンチであるがチャンスでもある。できる限り情報を引き出すべきだろう。
「最初から首都には行かないって聞いたけど…?」
「ああ、そうだ。あの難攻不落の要塞基地を占拠する。この人数だ。すぐに制圧は完了するだろう。そこを首都攻略の拠点として、順次首都に向けて出発するといった算段だ」
「補給は?」
「物資は輸送専門の部隊が編成されていて、そいつらが俺たちの進行を止めないようにどんどん送ってくる手はずになっている」
この人数の物資だ。弾薬や食料に燃料など、かなりの量が必要になる。その補給路を断つというのも戦術としてはありかもしれない…とリアンは考えた。
「どうやって攻めるの?」
「それは、俺らに任せな。偵察隊によれば、相手は首都にほぼ全ての戦力を集めているらしく、基地にはほとんど人が居ないそうだ。だから基地のほうは容易に占領することができるだろう。ただ問題があるとすれば…」
ヴィスは言葉を詰まらせる。そして、分かるだろう?と言いたそうな目でリアンを見つめた。
「?」
そんな目で見つめられてもさっぱり分からないリアンは小首をかしげてヴィスに答えを求める。
「おいおい、忘れてるんじゃないぞ、俺たちを、たった2人だけで撤退に追い込んだあいつらのことだよ」
「……あ…ああ。シェー…じゃなくて…あの2人ね」
「シェ?」
「あ‼い、いえ、えっと、シ……シ…あの2人に会ったら、シ…ショーガナイって!」
アワアワしながら咄嗟に言い訳を考えたリアン。果たしてそれで誤魔化せたものだろうか…
「しょーがないと済ませるわけにはいかない。奴らの実力が分からない以上、こっちが壊滅する可能性だってある。…そう言ってんだが、カウに言ってもあいつはこのことを全く気にもかけない」
「へえ…」
これは嬉しいことを聞いた。
まだシェーロの実力は軽視されているならば、その分隙が生まれるというものだ。
「もし会っちゃったら?」
「現状だとお前たちを戦わせたところで全滅するだけだ。だから俺か、カウ…どっちかが直接出るしかないだろうな」
ヴィスの話ぶりを聞いていると、何かしら魔法に対する攻撃手段を持っているように感じる。だがそんな武器は見たことがない。
「ヴィスなら勝てるの?」
「ああ、おそらくな」
「どうやって?」
「そりゃ、お前が気にすることじゃない。そっちに関しては任せときな」
―――――――――――――――
ヴィスからこれ以上の情報を得ることはできなかった。
魔法に対抗できうる兵器の話を聞こうにも、うまいこと流されてしまう。
そして、集合地点につき、うまく抜け出すこちができないまま出発の時間になった。
―――――あとがき―――――
文字が少ないし話も進んでないって?はは……
でわ!
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