一日目 午前

第1話 非番の朝

その日は非番で特に用事もなかったが、宿舎で寝ているのがもったいないくらいの良い秋晴れの日だった。

俺は洗濯物を干し終わったあと、何となく出掛けることにした。

目的地は特に決めてなかった。

唯一の趣味である自転車で走りに行くのに最高の陽気だったからだ。

所轄の交番勤務とは言え、こんなに何もない休日は久しぶりだった。

しかも日曜日。

周りの人たちと同じ日に休みが重なるのはかなり珍しかった。

「たまには気の向くままに走ってみるか」

俺は気がつくと独り言を言っていた。

そうして俺の悪夢のような長い一日が幕を開けるのだった。

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