てすと
@mi_cp5
無意味
自分が嫌で、イライラしていた。
その方向を他人に向けたら後でまた自分が嫌になる。酷くなってそれは返ってくる。酷い時は倍ではなく累乗だ。
洗面台の前に立っていた。
鏡に自分がいる。
消えろよ。なんでお前は生きてる? 早く死んでしまえ。今すぐにでも。消えろ。死ね。死ね。
気付いたら洗面台一面に赤が飛び散っていた。
左腕がものすごく熱い。痛い。
ちらっと見るとズタズタに刻まれていた。
めまいがする。
裸足でベランダに出る。
冷たい風が容赦なく殴ってくる。
「寒い……」
そう呟いた後に黒が襲ってくる。
そんなことを感じる余裕があるのか。お前は何をしたくてベランダに出たのか。
少し部屋に後ろ歩きで戻る。
いいから早く行け。さっさと終わらせろ。
「うるせえなあ!」
力強く走り出す。向かう先はベランダの向こう。
ガンッ。
仰向けになったのが分かった。
空は真っ黒に近い悪天候で、月以外何も見えなかった。
耳元で風が唸る。体の制御が効かなくなる。重い。寒い。冷たい。うるさい。怖い。怖い。怖い。
痛い。
じんわりと温かい黒に潰されていく。
てすと @mi_cp5
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