「橋の上の決着」
命の
「く…………!」
ふたりの勝負の見届け人と
たった数歩の
「どうだ、ニコル」
背後のニコルに向かって、後ろを振り
「
「み、見えたかって……」
同じく、ニコルも振り向けない。バイトンと同じように右腕を振り抜き切ったまま
「見えるわけ、ないじゃないですか……ぐっ!」
「どうやって、見ろっていうんですか……!」
「ふ……そうだな……無理な話だな……しかし、ニコル、いい踏み込みだった……」
バイトンは
「あと、足の指の長さ分……それだけ深く踏み込めば、満点だ……」
微笑したバイトンの
「今の感覚を、忘れず、
青年の形のいい唇が血の固まりを
言うまでもないだろう。
バイトンの
「――バイトン…………」
悲しい音の
いっぱいに
「――落とした時に軽い音がしたと思ったが、やはりな……」
「か……閣、下……」
前のめりに倒れているバイトンは、動かない。動けない。ただ、側で
「――バイトン、すまなかった」
「…………は、…………?」
橋桁の上に血だまりを作って
「私が至らぬばかりに、お前にこんなことをさせてしまった……お前は私に、ニコルに自分を
ゴーダム公はバイトンが背に背負っていたズダ袋を開け、中をのぞき込む。そして、自分の
「――
ズダ袋を重そうに膨らませて見せていた、丸めた古着類の上に一通の
「か……か、閣下……」
「わかっている、バイトン。これを開かずとも、おおよそのことはわかっている。――心配するな」
腹の
「お前の母上は、私が保護した。――だから、何も心配することはないぞ」
「……はは、うえ…………?」
ニコルが見開き、虫の息のバイトンが口から血を噴き
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