「公爵家の団欒と、ニコル」
「ニコル、なにか用があってここに足を運んだのですか? いえ、別にお前ならいつここに
音を立てずにエメス夫人がカップの中の紅茶を口に
「は、はい。お
「毎晩の日課? 夜の散歩が? サフィーナ」
片
「あなたにそんな日課があるなんて、この母は聞いていません。お
「今晩から日課にしたのです」
サフィーナは水の
「
「では、ニコルと
「その時は
エメス夫人は
「で……では、
この場に自分を引き留めようとする強力な引力の気配を覚え、ニコルは頭を下げたと同時に入ってきた
ニコルが扉の取っ手に
「ぷは」
ゴーダム公爵家の居間の扉をノックなしで開けられる人間などは、
「うん? なんだ、ニコルか」
歩を止められずにつんのめってきたニコルの顔を厚い
「こっ……公爵閣下……! し、失礼いたしました! おやすみなさいませ!」
非礼を
「まあそう
「あら、あなたにしては気が
「あなたにしては、というのはどういう意味だ」
「そのままです。さあニコル、ここにお
「は、は、は、はひ」
軽く肩を押された
トドメのようにサフィーナが反対側の隣に座る。
ニコルは自分が
そんな少年とテーブルを
「我が妻と娘で両手に花か。
「かっ……閣下、僕は!」
「別にこの部屋に
「あら。ニコルが来てくれて
「来て
扉がノックされ、ふたりのメイドたちが車輪付きの荷台に
「なんだ、私の分もあるのか」
「お父様もニコルの
「私は犬か?」
言いつつゴーダム公の手がカップに伸び、熱い紅茶に口をつける。
「さあ、ニコルも遠慮せずに
「は、はい、
サフィーナに
「ニコル、そろそろ
「は、はい、おく……お
「そう、それはよかった。お前もこの騎士団に来ていきなりとんでもない目に
「おいおい、私を悪者
「いえ、あれくらいの個人間のもめ事をなんとかできなければ、
「どうだ、エメス。ニコルはちゃんとわかっている。それがお前ときたらすぐに腰が
「人を落ち着かない女呼ばわりして。なんてひどい夫なのでしょう」
「ニコル、
そればかりは、とニコルは身が縮みそうな
この場の全員が自分に好意を持ってくれていることくらいは理解できたが、慣れないものは慣れないものだ。
「まあなんだ、ちょうどよかった。ニコル、お前に伝えたいことがあったのだ」
「は、はい、閣下。どのようなご用件でしょうか」
「うむ。それがな」
紅茶を飲み干したカップをゴーダム公が皿の上に置く。チン、と
「入ってきたお前には少し早いかも知れんが、外での実地任務についてもらおうかと思っている。少し異例なことではあるから、出るか出ないかお前に判断の余地を与えよう。自信がないのなら
「僕が、外での任務…………」
ニコルはその言葉が持つ意味に、ソファーの上で
騎士団における外での任務は、
「バイトンはその任務の
訓練も決して安全なものではないが、実際に
その
「僕は……」
いつか来ると思っていた実戦――いや、必ず実戦に
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