この過去を表す枕詞を求めて開示する、記録!

 恥の中に光るものがある。そう信じた著者さんが過去、『mixi』に書き綴ってきた日記を披露!

 お若い方はもう知らないかもしれませんが、『mixi』はインターネット成長期に数多の人々を繋いだSNSです。本作はそこで著者さんが公開されていた日記の再録ですね。

 時代や年代ごとに思考や言葉は変化していくものですが、人の記す文章もまた、「あのとき」を映すもの。特に日記という、飾ってはいてもダイレクトな心情を記したものであればこそ、なにより鮮やかな過去の著者さんが見えてくるのです。

 そして、今はきっと違うことを感じて考えるからこそ、当時の自分の拙さや熱の高さが面映ゆくて、でも逆に輝いても見える。仕事や趣味がこなれてきて、なんとなく行き詰まったときにふと顧みることの意味や意義を、この日記は教えてくれるのですね。うん、まさに温故知新。

 なつかしい、あるいは知り得なかった時代を感じられると同時に、新しい発見もできる本作、あなたも次へ進むきっかけが得られるはず!


(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=高橋 剛)