また明日!

 電車に乗るなら先頭車両だ。先頭車両にいると、電車になった気分になれる。


 外をみていると、子供たち三人が元気に乗り込んでくる。小学一年生ぐらいだろうか。まわりのこと関係無しにじゃれあっていた。


 「おしりがお**ちんになった!!!」


 電車の中でなんと素晴らしい会話だろう。パンチが効いている。楽しすぎる。


 そんな子供達は自分の隣で電車話をする。


 「これは千代田線だよ!」


 「このレール部分で曲がるんだよ!」


 「新型のロマンスカーは短くて10両しかないんだよ!」


 など等。

 

 子供ってすごいな! 興味のあることはすぐに覚えてしまうんだろうな。

 

 そんな子供達を観察していると、下北に到着。一人が降りるみたいな話をしているので、会話を聞いていると


 「また明日ね!」


 ズキューーーン!!!! なんて力強い言葉なんだろう。ずーーーっと聞いていない気がする。純粋な言葉だ。


 「じゃあねー!」、「また明日ね!」、「じゃあね!」、「じゃあねー!」


 すると、降りる子供が去りぎわに、笑顔で逃げるように、


 「じゃあね、じゃあね、うるさいんだよ!」


 本当に楽しい会話だ。ただの別れの会話でここまで楽しめる人間はずーーとみていない気がする。


 なんか懐かしいな。同じ車両に乗っている大人たちはまるで無関心。うーーん、なんかなー、、、


 子供は純粋だなー、周りなんてどうだっていいんだもんな。頭で考えていないから、言葉もストレートだ。


 「お疲れ様です」、「失礼します」、「では」。「どうも」


 かしこまったように薄汚い化粧で固められた言葉がとびかう世界よりも、ストレートでかざりっけのない言葉とびかう世界のほうがずーーっと良い。


 結局伝えたいことは同じなんだから、無理に複雑な言葉を使って相手を惑わせるより、相手に伝わる言葉を使ったほうが気持ち良い。


 役所で働く人間が聞いたらどう思うんだろう? 相手に伝わらない言葉を並べて何の得があるんだろう?


 今日は税務署、都庁に行ったからより感じてしまうな。


 そんなことを考えさせる一日です。

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