第209話―陽光のみぎりブルースカイ―

都内で有名なアイドルのライブがあるらしい。

先週での事だった――会場は開催されると言っていた猫塚さん。『東京ドームで開催するので良かったら兄も来てくださいね!あっ、もちろん皆で来てもらいたいって意味ですから。

変な誤解とかしないでください』とストレートな誘いに一部を訂正しながら誘われた。

アイドルをしている事は秘密にしていたが今はそれも冬雅たちは秘密を知っても接する態度は変わらない。この立場を明かされてからも格別視しないこと空間に気にいたようで喜色満面な雰囲気が辺りいっぱい充満していくような喜ばしい光栄だった。


「大規模なイベントには開催の施設として利用すること真っ先に上げられる東京ドームです。

野球の巨人公式戦をはじめとする競技の他にもコンサートや各種イベントが行っています」


人並みをかき分けるように前へと歩いてから冬雅はダンスで回るように振り返って説明をする。


「ああ。冬雅の言う通り大規模なイベントだね。

招かれたときは少しだけ疑う気持ちはあった。

東京ドームライブなんて選りすぐれた人しか行えないから。そこを猫塚さんが所属するアイドルグループで参加は凄い」


まだ入口の前ではあるけど人の数は凄まじいの一言に尽きる。

都内にある文京区にある大々的なイベントを毎年の数度も開催される施設。見上げるとテレビや本で見るよりも圧巻がある。いや実物を切り取った写真など見てきたからこそか。

見た気がしてから実物を足を運んで間近で見る感動はより膨らむものらしいと思うのだった。


「素敵ですねぇ。……えへへ、眩しいです」


「これだけ天気がいいと確かに眩しいか」


ちょうどドームの上は鳩が群青の空を泳ぐようにして飛んでいる。なかなか絵になる風景で写真の一枚として撮ろうかなと悩んでいると。


「はい。それもあるのですけど隣にお兄ちゃんがいるからです。隣に好きな人がいてくれるから景色や建物が眩しく見えるんです」


どうやら冬雅は、快晴な空のコントラストとなる東京ドームだけではなかった。全体的なとして光って輝いていると言う。

身近に好きな人と行く所々はその全てを照らすと心の内を述べた。さすがにこれは恥ずかしくて答えに窮するので聞かなかったことにした。

それはそうと振り返ってみると真奈たちも遅れて前に到着した。


「お兄さん逢いたかったよ」


「ま、真奈。

気待ちは嬉しいけど逢いたいって別行動したばかりじゃ……」


ほんの少し離れただけなのだが真奈はようやく追いつくと喜びを爆発して近付いて見つけてきた。


「真奈さん落ち着いてください。

もう少し気持ちも抑えて」


そういって頭を抱えるようにして嘆くのは高校生の花恋。フレアスカートにブラウスでオシャレに着込んでいた彼女は真奈に近づくと注意をする。


「ボク的にはもう少し見てみたい興味本位はあるけど。

公共の場で抱き合われて修羅場になるのはマジで勘弁ことで」


ギャルな口調で喋るのはインドア派の不死川さんだ。彼女はダメージジーンズそして上はポケット多めなブルゾン。イケメンとも美少女にもみえる中性的で活動的なイメージ。

似合ってはいるのだが可愛らしい格好からクールなコーデに変えるのは何かあるのだろうか?


「フフッ、お兄さん実はですね。

秘密にしろと言われたのですが男の人にナンパされないか不安らしくてダークな格好にしたんだ」


かかとを上げながら真奈は声を潜めて教えてくれるのだった。疑問が顔に出ていたのかな。


「って、そんな事じゃない。

というかマナマナ!口を酸っぱくして秘密してと、お願いがいしたのに」


「フフッ。つい浮かれて」


口元を抑えながら微笑ましそうに笑う真奈だが、返ってそれが火に注いでしまい怒りを増す不死川さん。


(年下からも懐かれているな真奈)

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