第149話―あざといエルフの甘々ストラテジー2―
晴れきった秋。
秋晴れの陽を彼女をより輝かせる。
陽光が差し込みやすい場所で振り返る冬雅。
「ここに来て時が経過されてしばらくぶりです。
それではお兄ちゃん少々お待ちください。今からラブコメ取材に準備をしますので!」
「その、久々の再会だし。
今日だけでも。ゆっくり過ごすだけで十分に充実感あるから過度なスキンシップとか無い方向で」
ラブコメ取材という日常生活していたら口にすることもないだろう言葉に俺は危機感を持った。
ゆっくり見て
これまでそういったことが後々になってから分かったこともあったし、流れないようと決意を何遍もしては流れてきた。
どうあっても過度なスキンシップになってしまう。快然として返事からは思慮を巡らしてはいないのは明白、もう祈るしかなかった。
そう、せめて過度なスキンシップを
――そして冬雅が唐突に告げて走っていてから数分が経ちリビングに戻ってきた。
「えへへ、今日はねぇ……遊びに来ました!
きゃあぁぁぁーー恥ずかしい」
やはりと言うべきなのか、緑のフリフリとした衣装を纏って飛び出してきた冬雅。
もう挨拶したというのに今日で二度目となる挨拶を首を傾げて決める。すると頬を抑えながら悶え始めていた。やや、あざといが久しぶりに会ったことの反動によるものだろうと受け取る。
さて、そんな冬雅が身に着けているのは華やかなで日常では着なそうな格好。これを着る機会があるとしたら舞台の上かハロウィンだ。
緑と白を基調としたドレス。それにドレスの右の胸には
これだけではなくツヤのある長い髪の左右には髪飾りが飾られていた。もう過ぎているが桜のアクセサリーを。
これでもかという程の過度な花で彩る冬雅。そうしていたら冬雅の笑顔が一段と増したかと思ったらロングスカートの両端を上げて挨拶のカーテシーを行った。
「えーと。きょ、今日はどのような架空のデートをするので冬雅さん?」
なにが待っているのかと恐れ恐れと尋ねる。
「よく聞きました。わたしとお兄ちゃんがイチャイチャするといえば年下の女の子と年上の男性のものでした。ですので、ここで趣旨を変えるのもいいかと考えました」
「趣旨……それって今日のデート限りで始めるのは冬雅が年上として振る舞う?」
「えへへ、さすがは
長くしてきた取材デート、見落としたことがあったのです。それは、いつも年下の女の子という設定ということにです!」
「それは設定ではなく現実のことでは」
「……年下の女の子ばかりでは学ぶものは得られるものは限定的です。ここは幅広くにどういうものかを行こうと思った次第なのです」
なるほど理解はした。その過程と動機には追いつけないこともあるが理解はした。
それは説明中でも始まっていた。両手を腰に当てて胸を張るという普段なら見せない姿勢を取っていた。
「年上の女性か、確かにヒロインキャラは幅広い方が有利かもしれない。でも分からないのは華やかな衣服に関してなのだけど?そこは問いかけてもよかった」
すると冬雅は、茶目のある動作をする。左目を閉じて自然なウインクをすると腕を組みはじめる。
「はい、もちろんです。
お兄ちゃんよりも年上であることに悩みました。お兄ちゃんよりも大人となれば矛盾があります。どうしても突き当たる壁でした。
ですので大人の女性であるけど中身は伴っていないのは何か。
そう考慮した上で至ったのはエルフでした」
「エルフ……北欧神話とかに出てくるエルフ」
「そう、エルフです。北欧神話になると自然をつかさどる
でもリアルを追求してしまうと様々な民間伝承があって全てを採用するのも難しいので、今回は主流とあるファンタジーのエルフでやります」
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