第41話―ギャル冬雅の五日目―
大人になった彼女と付き合い始めてから驚くほどに大きな進展は奇遇にも起きなかった。
あの行動だから
そもそも一日に一回と告白をほぼやり遂げたアクティブさを持つ冬雅が何もして来ないと楽観するには、とても考えれないことだ。
なので快晴日和である朝の食事リビングで、こんな発言が来るの予想していた。
「毎日こうして平穏に暮らせて幸せなんだけど、お兄ちゃんそろそろ恋人デートをしましょう!」
「ああ。分かったデートするのか……」
迫ってきた日が来た。
日常をただ何事もなく満喫していくと考えていた。とうとう迎えられたのか恋人デートが。
「あ、あれ?おかしいなぁ。わたしの夢想お兄ちゃんは、かわいく照れて嬉しそうにすると予想していたのですが……まさか!そんな反応をされるとは露とも思いませんでした」
「そ、そんなことないよ。冬雅とデートするの楽しみだな」
それは、だって……恋人らしいデートではなく関係を飛躍的に上げていくものだと警戒しているので素直に喜べないんです。
でも冬雅とデートするの楽しみな半分、残りの半分は不安と警戒がある。
楽しませられるか、喜んでくれるかと純粋な成功を祈るといった感情はある一方で欲求を満たすことはしたくないとある。
(偏見かもしれないけど歳の差って、共通よりもすれ違うものだと思う。
大人なら結婚を現実的に見据える。それと大学生の冬雅の年なら現実味よりも理想を求める傾向はあるだろうし、積極性な性質上からして順序を飛ばさないようにしないと)
これを意識して慎重なら問題を起こさない自信を抱いているが、それでも客観的に見つめると恋を不得意であるから順序を飛ばして計画性や尊重を軽視した関係したくない。
断るにしても冬雅は、まだ19歳とはいえ今年で成人を迎えている。
これ以上の延期は無理そうだろう。
「承諾するけど冬雅…手を繋ぐよりも進行する方向はなしで」
「えっ。手を繋ぐよりも?ですか……あっ!?う、うん。そのへんは大丈夫です。
わたしもキスするまではしたくないですし。
で、でも不可抗力という流れでそうなったら仕方ないですよねぇ」
「仕方なくはないかな」
冬雅よ、また凄い発言をしている。
乙女のような反応しながら不可抗力というのもどうかと思い俺は溜息を自然に吐いた。
そろそろデートぐらいはしないと俺も思っていたので
そう心の中で決意すると居室に届くピンポーンの電子音。「二人でデートは難しいそうです」と残念そうに方を落としながらも足取りは軽い。そんな呟いた冬雅は俺の後について出迎えに向かう。
冬雅にわるいが二人きりでいるより第三者の目があると問題は発生しにくい。
不満だろうが、ここは受け入れてもらおうと納得される内容を考えながらドアを開ける。
ドア前に立っていたのは私服姿の比翼と
「こんちには。うわぁー懐かしい。
ただいま!おにいちゃん」
「マジ卍。ちわっのボーン」
「あ、ああ。こんにちは」
ギャル語に疎くて不死川さんの言葉に戸惑いながら明るく返事をする。
この組み合わせは珍しいと感じたが近頃の不死川さんは比翼といることが多いなあと改めて認識した。
「どうぞどうぞ。来客の菓子類はもう無いけど粗茶なら提供するよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます