第40話―ギャル冬雅の四日目―

そのあと花恋を私の部屋で泊まらせることに話し合いで決まりました。

当然と言うべきでしょうか、花恋の要望をすべてを応えませんでした。

かつてのお兄ちゃんでしたら困っている人がいれば自分の立場が危うくなるのは後回しに手を伸ばす人なのです。

ですが、そんな性質が窺えたのですが現在は慎重的になっていると感じています。


(もう、お兄ちゃんは大人ですから子供のように内面的な大きな変化はないと弟さんが言っていました……なら思い当たる節があるとすれば……わたしと交際するようになったから?)


かつて宿泊することに勢いで押していけば許してくれたお兄ちゃんでしたがぐる日と違い無策に無作為と手を伸ばした頃と違うのでしょう。

たぶん、慎重な行動させたのは恋人である峰島冬雅わたしがあるからでしょう。

いえ、要望すべて受け入れることが優しさじゃないですし極論、たぶん泊まる以外に花恋に寄り添うような選択していたはずです。


(要約したら協力する使命に燃やすように示していますが危険を顧みないような姿勢はありませんでしたねぇ。

これが躊躇ためらっているとすれば、わたしがいるから社会的地位を気にするようになったのでは)


わたしは真奈のようにお兄ちゃんの内側を深くまでは知ること出来ません。ですので不足しているのは玉砕覚悟して積極的に挑んでいますが一番は本人に聞いた方がいいこと。


「だけど、なんて尋ねればいいのか分かりせんよ……はぁー、困りました」


付き合うことになれば悩みは一気に減って全部が幸せになると当時は考えていましたが

現実は常に、想定に作られた設計図のようにはいきません。

なにかが瑕疵かしが起きて発見、それが改めて人生で現実だと突き詰めてくる。


(とりあえず足踏み状態を今すぐにと解決策を無理して手にするより、ゆっくり進もう!)


思考の渦から抜け出します。ベランダの上で見上げていた月を背にして部屋に戻り眠りに就こうと寝台に進みます。

そして翌日を迎えた朝。いつもの朝早くから目覚めて隣に寝息を立てる音がして、わたしの眠気が消えます。

耳の鼓膜に入る女の子らしい寝息にビクッとしてそちらに向くと寝巻きで気持ちよさそうに眠る花恋の姿がありました。


「そ、そうでした。

花恋わたしの部屋で泊まることになったのでしたねぇ……同性のわたしでも、かわいいと零したくなるけど。

お兄ちゃんよく手を出さないものです!わたしが男子でしたら絶対に手を出していました!」


「……ッ!?」


花恋の肩が揺れました。も、もしかすると花恋は起きているかもしれません。でしたら変な独り言も聞こえていたかもしれませんねぇ。

ええーと、こういう時は。


「……わたしが男子でしたら、お兄ちゃんでしたらハーレムを築いていましたねぇ。

あー、そうです!ま、真奈と比翼を侍らせて寝ています」


ここはお姉ちゃんとしての威厳を保たなければと危機感を覚えて、取り繕うとしますが余計に取り返しのつかない結果になったのではと感じずにはいられません。

なかなか難儀です。花恋から見るお姉ちゃん像をわたしから壊しに行っているような行為に思えてきました。


「――ッ!?」


寝息が止むと思ったら花恋は息を飲む音を放ちました。息を飲む音は、とても小さな唸り声でした。……いえ、そんなことよりもです!

完全に誤解されますよ、このままでは。

けどこのあと本当は起きている花恋に、わたしの理想像を回復させる手段は思いつかずにありました。でしたら、これ以上は足掻いても墓穴に入るならと部屋を出て逃げるさかなかったのでした。

これでますます、わたしの変態度合いがひどくなったと誤認させていくのでしょう。

もう独り言のように受け取らないと堪えれません!

――そのあと数分後から経過して花恋が降りてきました。挨拶を交しますが目を避けられ返信しました。ツラいです!

完全に、あぶない人だと思われていますよ。


(そういえば今日お兄ちゃんにベランダで挨拶の逢瀬まだでした。まだいるのかな?)


「あー、冬雅さん。その私って日課にしている朝ランに行ってよろしいですか?」


「えっ?ええ、はい!もちろんよろしいですよ」


いつもキラキラした目で見てくるのに今は顔を逸らされておりショックです。

変な返しをしながら空気は微妙に重たく、どこか余所余所しい会話が落ち着きません。

ですので言葉を理解するのに時間を要したのでした。朝ランとは言わずとも朝のランニングのことを指すものです。


「なんていうか凄いですねぇ!

こんな朝早くから走るなんて勤勉な若人って感じですねぇ」


「いえ、ルーチンだから別に大したことは…

というかワコウドって冬雅さんそんなに年の差なんてありませんよね?

2つ違いだけで」


「あはは、そうだったねぇ。

お兄ちゃんと長く暮らしていると精神的に成長して老成したかもしれませんねぇ。

なので大人になったかもしれません!」


「そ、そうなんだ。大人なんだと思って……あの冬雅さん良かったら一緒に走りませんか」


隣に走らないかと朝ランに誘われました。

ここには両親はまたどこかでビジネスホテルに泊まっており現在は、わたしも花恋だけ。

ここは高校生である彼女を面倒を見ないとならないです。

それが成人を迎えたばかりのわたしにある使命だからです!またわ19歳でありますが。

快く返事を返して、わたしはランニングウエアに着替えます。それとお兄ちゃんに朝ごはんは遅くなる旨を伝えるの忘れません。

これでも、わたしは大人なんですよ。

それはそうと花恋は、やはり起きていたのか警戒して別々で着替えることになりました。

弁明します。わたし好きなのは、お兄ちゃんだけで他の人とは付き合いたいなんてこれぽっちも考えていないのです!

あと高校生の頃に買ったウエアは大学生になっても着れました。着れたことに問題はないのですが真奈のように外部的な成長していないことに複雑な気持ちにさせられましたが視野の外に追い出してスッキリさせることにしました。

1階のベランダに降りて入りますと花恋が動的どうてきストレッチして固まった筋肉や関節をほぐしていた。


「来ました冬雅さん。まずストレッチしてケガしないようにやりましょう!」


「だね。やるならウォーミングアップは反動をつけると効果が良いらしいよ」


「私よりもなんだか詳しそうッ!?」


まあ以前したことがありましたねぇ懐かしいものです。学生時代では、お兄ちゃんと朝で走ったり歩いたりする時間が幸せでした。

もちろんランニングが自然消滅してときどきジョギング程度しかしていませんが、お兄ちゃんのためならと専門誌を読み漁っていたのです。かなり不純な理由なので言いませんがねぇ。

――では走ろう!シューズを履いて外に出ます。その際に戸締りや鍵を閉めるのを忘れずに。

ここは年長者として花恋のスピードに合わせて並んで走ります。

河川敷にある土手の上を走る。空はきりがゆるやかに薄らいで来ている。

まだ早すぎるのだろうか、すれ違っていく人は少ない。コロナ禍になって約2年ほど巣ごもり前に戻りつつあるなあと感じますが、実際は戻っていないと頭で知っていても景色を見ると思わずにいられませんです。


「はぁ、はぁ…。あの冬雅さんこんなこと訊くのは無粋だと思うのですが、お兄ちゃんとはどこまで進んだのですか!」


「うーん、そうですねぇ。お兄ちゃんとは……えぇーーっ!?ど、どうしてそんなことを」


「好奇心」


「そ、そうですか好奇心。なら仕方ないのかな?そうですねぇ。とくに話題したくなるような事ありませんよ」


「…………接吻せっぷんは?」


「あ、あー。キスは…まだかな。それとねぇ細かい指摘になるけど接吻は夫婦がするキスでして。そこまで発展していない者がするキスじゃないんだよ」


わたしは、とても顔が熱く感じます。きっと今のわたしは顔が赤くなっている。


「……ふーん、そうなんだ。

冬雅さんどうしてギャル?」


間があったのは理解しようと熟考していたのでしょうか?そうして納得してくれたのか話題を変えようとしてか花恋がそう言いました。

どういった意味かと考えますが、どうやら昨日のこと。わたしがギャルの格好をしたことに尋ねていることについてだった。


「あれはねぇ、気分だったから。

お兄ちゃんにドキマギさせたくて」


そうして花恋の疑問を晴らそうと作り笑いを浮かべて返答しました。


「今はしていませんでした。いつもならそこで納得していたけど、東洋お兄ちゃんの反応から怪訝そうな顔がどうにも気になるんです。

ねぇ、冬雅さん他にも理由あるのでは無いですか?かなり性癖のある理由だと直感するけど」


確信しなくても確信的になる花恋の勢いにどうにか誤魔化そうと思い浮かべて出た案を却下を繰り返して断念しました。

どうやら彼女も、お兄ちゃんのことを大好きになったようですねぇ本当に。自分の直感というよりも意中の人から感情から判断するところは。そこまで突き詰められれば応える他はありませんねぇ。


「……あはは。今はギャルギャルしていないけどお兄ちゃんの前でいつものわたしを見せるのが恐くなっている。

なにかになっている間なら大胆になれるけど素でアタックするのは勇気がいて付き合う目標も果たしました。

それで先のことアタックするとなるとお兄ちゃんに……まあ年齢制限がつく行動になりますので、玉砕覚悟と叫んで蛮勇ばんゆうにならないようにしないとならないと行けませんので」


まさか心の内を語っているうちにややヘタレなんだと初めて自覚しました。

どうしても付き合うことを達成したあとで先のことを積極的になれないのは、とても単純明快なものでした。先が見えないから。

なにをすればいいのか?進みすぎるとお兄ちゃんには、どうしようもない変態だと思われるかもしれないのですし飛躍しすぎた関係にしたくないのもあります。

なので、どうしても付き合った関係性でどうすればいいか暗中模索にあるのです。


「……うそっ!?あの冬雅さんが思いつくまま行動していなかったなんて」


「いくら変態と定評がある、わたしであっても慎重になることもありますよ。

目的が無くなったあとでは熱くなりすぎると飛躍しますので慎重にねぇ」


もうツッコミする気持ちではないので自分から変態であると自他ともに認めたこと話を進んでいきます。年下である花恋は困ったように朗らかに笑みをこぼします。


「それで自分で自分を行動を制限つくのは良くないと思うけどね。

もし飛躍した関係なるのを極度に恐れるなら順序通りにとか?

目的がないなら目標にすればいいわけだし」


花恋の何気ない言葉にわたしは電撃に撃たれたような全身に、心の奥底に衝撃が走りました。


(目的が無いなら目標にすればですか……)


光明が見えたような清々しい気持ちが広がる一方で驟雨しゅううのごとくアイデアが突然と降って浮かんでいきました。

そうです!なにを悩む必要があったんだろう。

わたしはなにかが見えるようで未だに手が届くそうなもどかしさを覚えます。あと少し目標を触れる直前まで心境にいたのでした。

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