第32話―ネコネコ・エアードライブ―

この日も空は晴れていた。

とくにいつもと変わらない2月22日、ではあるが一部の市役所では忍者の格好して仕事さるところがある。一体どこなんだろうか……

答えは滋賀県の南東部にある甲賀市です!

という寂しく俺はそれらを出題して応えるという一人で遊んでいた。

今日は忍者の日である。


「お待たせしました。お兄様」


「ご支度を終わりましたかペネお嬢様」


黒のダウンジャケットをしたペネロペお嬢様が笑顔で駆け寄ってきた。ここ現在地は

彼女の本邸にあたる敷地の上にいました。もはや東京ドームを数十個を収めるほど広大さのある規模です。……人は慣れが時に頼もしくも怖くなる時がある。もう、ここの敷地内が普通とさえと感じているからだ。

そう、本来ここは国内でも有数レベルの広さなんだ。こんな広さはおかしいのだ!


「そう畏まった言い方をさなくともよろしいのですよ。お兄様には、わたくしの個人的な執事なのですから。冬雅様のように呼び捨てで頭をなでても」


「うーん、さすがにそう允許いんきょを与えても……なでるのは冬雅が今いないとはいえ出来ないから、口調だけで」


金髪碧眼の美少女であるペネロペ・レードル・サファイアさんは「うーん、いいでしょう」と少しだけ不満ながらも頷いた。


「いざ、出陣のとき!向かうは京の都、さあさあ参りましょう」


お嬢様は大のサムライ好きである。やや演技のようなセリフをハイテンションで叫んでいるところから察して時代劇や軍記物などを

好きであり多分に影響を受けているだろう。

ちなみに平家物語は軍記物として広まっていてそこに書かれている平家にあらずんば人にあらずは有名。

……あれ?みやこのキョウ?


「ま、待ってくださいペネお嬢様!?ま、まさかですが京の都って京都に行くのですか。今から?」


左様さよう


「左様ですか…あの、いくら早く行ける時代と言っても東京から行くと遠いのでは?

それにコロナ禍で厳しいかもしれないよ」


「ふふ。案ずるなかれですよ、お兄様。

それがしの早馬であるプライベートジェット機で行きます。中国大返しならぬ東海道おおがえし!」


右腕を上げてペネお嬢様はそう応えました。

どこを突っ込めばいいのか悩んでしまい、俺は最も質問だった一つの点だけ訊くことにするのだった。


「それで…向かう場所は、どこに?」


左京区さきょうく猫々寺ニャンニャンじ


「ニャンニャン寺?少し前に聞いたので一応に確認しますが、俺も行くのですか」


「ええ、お兄様に是非とも来てもらいたいのです。花恋がどう接したらいいのか悩んでおられました。ですので、この機会に距離を縮めようと密かに計画させておりました」


いつもの口調に戻ったペネお嬢様がどうして俺を招いて行くのかも目的を説明してくれた。なるほど、そういうことかと理解はした。したけどペネお嬢様せめて誰かと相談してから物事を決めた方がいいと思う。

一人で決断するのもいいが、デリケートな話には複数で話し合った方が名案は浮かびやすいものだから。


「そういうことでしたか。すみません、また質問になるのですが何故そのニャンニャン寺に。神社巡りが趣味とは知ってはいるのですが、ペネお嬢様なら他にも行くと思うのですが」


「家臣の悩みも応えるのも主君の役割!それは今日こんにちが猫の日だぜよ!」


「あー、そういえば今日も猫の日でしたね」


そこをチョイスした理由を知って俺は納得したのだった。ふむ、たしかに猫の日ならペネお嬢様そこに行きそうだ。とくに、お寺であるなら尚更なおさら

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