processor doll

かわら なお

 

可愛いものが大好きで

親や先生 友達にも恵まれた

平均的な頭に身体能力

でも盛り上げ上手で努力家

私は彼女の全部を知っていて妬んでいた


可愛いものが大好きで

親は喧嘩ばかりで 先生は何も見ないふりをする意気地なしで 友達なんかはいなくて

いつもくだらない争いと戦ってる

くだらなくてもそれが私の全てだったから

舐められたくなくてゴツいものばっか身に付け始めて

気付いたら私の憧れたあの子とはかけ離れた私になっていた

歩けば転ぶ頭に身体構造

一人の意見も言えなくて 私がいるだけでその場はしらけて

努力もへし折られてばっかりで

なんのために頑張って耐えているんだろう

あの子だったら


あの子はいつも 笑って 泣いて 上を向いて 食いしばって耐える

そんなフィルムの一枚一枚が輝いて見えて憧れていた

あの子だったら

あの子だったら

私は何をしていたんだろう


髪も顔も服も全部可愛くきめて

笑って怒って泣いて

全ての喜怒哀楽をあの子で切り貼りして

私の人生をあの子で埋めて生きていたかった


何よりも憧れた私だから

私はあの子になりたかった




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