第8話

できればでいいんだけど、ここの家に住まわせてくれない?」




「え?…」








「わ、わかった、いいけど、完全に住むのはねぇ、」

「やっぱり、そうだよね…」

「ごめんね…」

「でも、ちょこちょこ泊まりにおいで」

「え!うん!」









なんやかんやで数日後のこと。

「ねぇ、匠、」

「母さんきすぎじゃない?」

「そう? で、豊香ちゃんとどうなのよ」

「なんでいきなり豊香の話なんだよ」

「だってー、あんたと話すことなんて豊香ちゃんのことしかないじゃない」

「まぁ、そうだけど、  あのさ、このあいだ豊香が一緒に住みたいって…」

「えぇー!いいじゃない!お母さんは全然いいわよ」

「え?そうなの?」

「えぇ!だって匠よ!あの匠が、よ! 最近豊香ちゃんと付き合ったんだって?真花が言ってたわよ!」

「そうだけど、(何してんだよ姉さん…)」

「で!ほらほら誘いなさいよ ね?携帯!携帯は?」

「え、あぁ」






「ねぇ豊香、うち、住んでもいいことになったよ」

「え!ほんとに!」

「うん、今からでもいいよ、準備しておいで」

「うん!」





「匠!」

私は匠の家、いや、今日から私の家でもある場所についた。

「おぉ!豊香、」

「豊香ちゃーん!!」

「あ!お母さん」

私はゆっくりお辞儀をした。

「うんうん、いい未来だわ」

「母さん?何考えてる??」

「えっと、それで、今日から私はどうすれば?」

「なんかある?母さん?」

「そうね、毎月生活費を二人で3分の1出してくれる?そしたらもうあとは何でもいいわ!」

「わかった、じゃあ、」

「はい!私一応バイトしてます!」

「じゃあ俺もバイト始めようかな?どこの?」

「スーパー!」

「あぁ、いいね、明日つれてってよ」

「わかった!」

私はあの親からの開放ですごく気持ちが良かった。

「じゃあそんな感じでよろしくー!私明日の仕事遠いから!ばいば~い!」

匠のお母さんが帰っていった。

「じゃあ、ご飯食べる?」

「うん!」



「俺さー、昔から一人だからこういうの慣れてるんだよねー」

「へー!あ、なにかすることある?」

「あ、じゃあお風呂わいてるから入ってきたら?」

「え!いいの!わかった!」




私はお風呂に入った。





「うわー、いい家庭だわー、それに… ふふふっ」






「おっ!//// 出てきたね、じゃあご飯食べる?」

「うん!」

「いただきま~す!」

ふたりで食べ始めた。

「美味しかった!!!」

「なら良かった」

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