第6話

「あ!匠!」

偶然街の中で匠を見つけた。



「え?」





「ねぇ、匠、小説家の夢諦めてないの?」

「いや、なんというか、今は友達に小説家にならないかって言って色々やってる。プロデューサー的な感じで」

「へー、いいの?」

「なにが、」

「だって小さい頃からの夢じゃない」






「お父さんみたいになる」





「って、」




「え?… 匠の夢は小説家なの?それにお父さんみたいになりたいって… 匠のお父さんは小説家なの?… え?…」


「あ!豊香!おいで」

「あ、うん」

私は匠の方へ向かった。


「姉さん、この子が豊香」

「えっと、前野豊香です」

「よろしくー、私は匠の姉の藍川真花(あいかわまなか)です。」

「よ、よろしくおねがいします。」

「あっ!私仕事だ!ごめん!ばいばい!さよならー!」

「あ、姉さん帰っちゃった。」

「…」

「なに?家きたい?」

「え!うん!」

「わかった」



そして二人で匠の家へ向かった。


「あのさ、匠って何になりたいの? いつも私にそう聞いてるけど、それは匠も同じじゃない?」

「確かに、そうだね。俺は昔は小説家になりたかった。でも、なかなか売れなくて、少数のファンの人には申し訳なかったけど、仕方なく小説家は、断念しちゃったんだ。でも、それでも諦められなくて、でも自分でやっても同じ結果が待ってると思ってだから、誰かのアシスタントさんになりたいとおもった。だから、豊香にあったときはすごく嬉しかった。夢を探してて、本をたくさん持ち歩いてて、それはもう有望な人材だった。だから俺は豊香のことはメールも繋げたし、家にも呼んだし、これで第2でも夢が叶えられると思って。」

「そうなんだね、じゃあ一緒に頑張ろう、できる限り最後まで、ね?」

「うん、ありがとう…」

その時匠は報われたような顔をして泣いていた。





「じゃあ私達、一生のパートナーだね!」


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