保健室登校の俺が友人を募集してみました。そうしたら.....幼馴染だと言う少女が3人名乗り出ました。は.....?

アキノリ@pokkey11.1

3つの希望の道

全てを失った時に差し込む光

第1話 傷付いている少年と3つの希望と

道草隼人(みちくさはやと)17歳は人が嫌いだ。

それはイジメを受けているから、だ。

だからこんな事にある日、挑戦してみた。

それは.....人を少しだけでも信じれる様になる為の.....行動だ。


今日の朝から俺と友人になってくれる様な人をSNSで募集したのである。

まあこんな保健室登校な馬鹿野郎に寄って来る女子も男子も居る訳も無いだろうけど、と思いながら。


その時はポキッとお菓子の様に脆く折れて簡単に諦めるつもりだ。

それにこんな事をやったら女子の場合だが出会い系になってしまうので.....そこは配慮してこの全ての情報、アカウントは今日の夜で消すつもりで居た。


取り敢えずはSNSアカウント登録したてのやつで巫山戯てやったので1件も友達申請とか友達になって下さいとかはやって来ないだろう。

俺とバレない様に小学校の集合写真を使った。

そうしながらSNSを観ていたのだが.....。

何故か分からないが.....3件通知が入っていた。


「.....!?.....え?」


何故か3人の候補が集まった。

全員女子だ。

それも.....スクールカースト上位の美少女達である。


それは白雪姫とかに例えられる様な.....名前が間違ってなければその子達だ。

俺は驚愕しながら.....その名前を改めて確認するが。

間違いでは無い様だ。


しかし何で?え?もしかして悪戯?

だってそうだろう。

仮にも陰キャだぞ俺.....、と思いながらその3人からのメッセージを見つめる。

そこにはこう書かれていた。


(初めまして。私は野々咲櫻(ののさきさくら)です。お友達募集との噂を聞いて.....やって来ました♪私でよかったら♪)


(初めまして。私は換村憂(かえむらうれい)と言います。お友達募集との事を聞いて.....応募しました。.....私は頭が優秀ですが.....その。友人関係とかには本当に疎いです。だから教えて下さい)


(初めまして。わ、私は.....袖岡綺麗(そでおかきれい)と申します。.....メール見ました。.....友人になってほしいです)


ちょっと待ておかしいんだが。

何故俺は.....一気に3人も友人の関係になりたいと告白されている。

意味が分からなさ過ぎる。

俺は目をパチクリしながら.....見る。


そもそも俺は保健室登校もする様な陰キャだぞ.....?

あまり知られていない筈だ。

という事は.....この3人のスクールカースト上位者達は悪戯。

そういう事になる。


「試しにやったけど俺を馬鹿にする人はまだ居るんだな.....ってかまあこんな.....巫山戯た企画をした俺が悪いかもだけど。馬鹿な真似をしてしまった」


俺は思いながら額に手を添えてその文章ごと企画の文章もアカウントもそのまま全部破棄した。

それから.....勉強机の上のパソコンをゆっくり閉じる。


そして、やっぱり駄目だよなこんなの。下らない事をやっちまったもんだ、と思いながら立ち上がって大欠伸をして伸びをしてから.....そのまま自室からリビングに向かった。

しかしこれが.....まさか色々な事に繋がるとは。

誰が予測したものか.....。



「隼人。.....凄いわね。今日はやけに早く登校するのね」


「.....ああ。母さん。.....取り敢えず保健室で色々と片付けとかしてみようって思ってね」


「そうなのね。.....それじゃ保健室の先生にも宜しくね」


俺の母さん雪歩(ゆきほ)はそう言いながら静かに遅めの朝食を取って登校する俺を微笑みながら見送ってくれた。

今は学生が通学する時間では無い。

9時を超えているから、だ。

大体、俺は身体がボロボロなので起床が出来ないのでその時間になる。


「.....母さん。.....行ってくるね」


「.....そうね。.....気を付けて。ああそれと.....帰り道で病院のお父さんの様子見て来てくれるかしら。今日は忙しいから。今度一緒に行きましょうね」


「.....だね」


言いながら笑みを浮かべて俺は靴を履いて立ち上がる。

それからドアを開けて外に出てみる。

今日も.....爽やかな朝日が登っている。

だけどまあ俺にとっては重たい朝日だけど。

思いながら学校に登校した。


そして昇降口にやって来てから下駄箱を開けると。

そこに.....白い便箋が入っていた。

俺は首を傾げてその便箋を見てみると。

そこには.....こう書かれていた。


(野々咲櫻)


「.....え?」


俺は、へ?、と思いながらその便箋を開けてみる。

するとそこには.....こう書かれていた。

俺は読んでみる。


(初めまして。道草くん。私は野々先櫻です。こうして貴方にお手紙を書くのは初めてですが昨日の件でお話があり書かせて頂きました。私は貴方の遠い日の幼馴染です。その事をお伝えしたく書きました。私は貴方が友人になってほしいと言ってくれて嬉しかったです。何だか面白い企画をしているとの噂がありまして貴方のアカウントにダイレクトメッセージを送りました。でも消しちゃったんですね。残念です。こうして言うのも何ですがキッカケが持てた。お友達に是非なりたいです。なってくれますか。みっちゃん。櫻より)


何か。

思い出しそうになった。

それは.....遠い日の記憶。

俺はハッとして.....顎に手を添える。

何を思い出そうとしているのだろう俺は、と思いながら。


これは.....3人の貴方の幼馴染と言っている少女と。

その記憶の無い幼馴染の少年の。

ラブコメである。

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