第19話 不思議なenemy

第19話 不思議なenemyエネミー


 午後7時10分ノーザンベースの中央にあった町の残骸が散らばる道に戻って来たリュール達が目にしたのは、無残なものだった。


「・・・嘘・・でしょ・・・なんで・・・」


「・・・あれは?・・はっ!それだけじゃない!向こうに人影が!」


「・・・・・え?な、なんで?」


「どういうことだ!?俺たちは幻覚を見せられてるのか!?」


3人は目の前に広がる光景に混乱を隠せないでいた。

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 時間は午後6時30分頃にさかのぼる。空は薄暗く、視界も悪い中、サチは子供達と共に森のはずれにある一軒家に戻ろうとしていた。


「サチおねぇちゃんあそこに何か居るよ?」


「え?何かしら?」


「greeeee!」


「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 魔獣はムチのようにしなる尻尾を振りかぶり襲い掛かった・・・かのように見せた。この魔獣は幻覚フェイクを見せ、人を狂わせる能力があった。サチが血を流して倒れているのは、幻覚フェイクの攻撃を喰らってしまったからだった。

 奴には幻覚フェイク本当リアルに、本当リアルの出来事を幻覚フェイクに変える事もできたのだ。

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 そんな能力があることを知らず、リュール達は対峙してしまった。


「あの魔獣も極魔獣なのかな?」


「・・・どうだろう?禍々しいオーラはないけど・・」


「だとしても、あいつを倒すしかないぞ!戦闘準備はできてるか?リュール、リューラ。」

 

「うん!」「あぁ!」


3人は覚悟を決め魔獣と戦おうとし、剣と杖をそれぞれ構えた。だが魔獣が取った行動は3人の調子を狂わせた。


「zreeeee!brooo!」


雄叫びをあげ森の中に逃げて行ったのだ。


「え!?追いかけないと!」


「バカにしやがって!」


「ちょっと待ってよ〜!」


3人は魔獣を追いかけ森の中に入ってしまった。そして見事に離れ離れになった。


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リュールside


「ここはどこなんだろう・・・みんなとはぐれちゃったし・・魔獣もいないし」


『ガサガサガサ!』


「え!な、何!?ってウサギか・・・」


 リュールが迷ったのは3人が入った森の入り口から3キロ南に離れた場所にいた。木々が月明かりを遮り、足元も見えずらいとこだった。だが、リュールは目がよく猫のように暗いとこでもモノが見えるのだ。


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リューラside


「・・・どうしよう・・・すっかり皆んなとはぐれた。来た道を戻って待とうかな・・」


 リューラが迷ったのは3人の中でも一番入り口に近いとこだった。月明かりが足下を照らしていた。


「こっちから来たはずだからこっちに行こう。」


リューラは来た道とは逆の道を進んで行った。

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ザザside


「こりゃ〜迷ったな。魔獣も見失うしよ〜お父様は何もヒントとか教えてもらえないしな〜」


ザザが迷い込んだのは森の入り口から東に2キロも離れていた。少し薄暗く、霧も出ていた。


「少し、寒気がするな。・・・一旦戻るか。」


ザザは来た道を辿って戻って行った。

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