第11話 極魔獣の能力

 第11話 極魔獣の能力


「勝つんだ!絶対に何としても食い止めるんだ!」


「・・そうだな、リュール。こいつは俺たちが倒してやる!」


「私たちで倒そう!」


 2人の剣士と1人の術士で極魔獣に立ち向かった。

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(さて、残り2人をどう殺そうかな?よし、決まったぞ)


「よくも私の配下をやってくれたな!白雷斬波びゃくらいざんぱ!」


 白の雷を纏った一撃が胴体を切断した。

(よし、これで注目ヘイトを稼いで、また殺せるはずだ。)


「今度こそ!・・何!!!消えた?・・何処だ!探せ!」


 30代前半ぐらいの騎士が極魔獣を見失ってしまった。焦ってしまったことで、背後から近づいてくる極魔獣に気づかなかった。


「・・・っは!ぐぁぁぁぁぁーーーー。」


 咄嗟とっさの判断で避けたが左足に噛み千切られてしまった。


(・・ッチ。ギリギリでかわしたか。でもあいつはしばらくは動けないだろう。あいつは生かしておいて別のやつを殺ろうか。)

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「Graaaaaaaaaaaaaaaaa 」


「・・よく吠える魔獣だな。こいつも再生すんのかよ。」


「・・・でもオオカミ型よりも遅いし少し弱い。」


(こいつも極魔獣ってやつだろうけど、なんかオオカミ型よりは戦いやすいな。)


「はぁはぁ、とりあえず首を斬ると同時に胴体も斬ってみよう。」


「・・そうだな。効果あるか分からんけど、やってみよう。」


(お兄ちゃん達は別のと戦ったのかな?再生することを知ってるみたいだし。)


「ねえ?お兄ちゃん。オオカミ型って他にどんな能力があった?」


「確か、能力か分からないけど何の構えもせずに先生の剣を粉々にしてたよ。」


(・・・今思い返せば何か違和感はあったけど何だったんだろうか?)


「行くぞ!リュール、リューラ。」


 ザザは煉貫剣蛇毒れんがんけんじゃどくを中段に構え、リュールは磁槍剣煉獄じそうけんれんごくを下段に構えた。リューラは黒薔薇くろばらの杖を水鏡すいきょうから雷電らいでんに替え、詠唱を始めた。


「サンダー・ロープ・ウェーブ・フライ・フリー・ディスチャージ」


(雷で動きを封じておこう。)

 電気をまとい自由に薔薇のつたが手足を拘束しようと地面をはい、空を舞って行く。だが、無常にも


「Zyuraaaaaaaaaa」


 初めて聴く雄叫びを放ち左右2本ずつの腕を刃の様に鋭くし、つたを千切った。


「・・・そんな!あれは1なのに!」


 剣を構え走っていたリュールが唐突に走るのを止め。


「・・はっ!みんな上に跳べ!3・2・1今!」


 リュールのカウントのタイミングに合わせて右足を思いっきり地面を蹴って上に跳んだ時、極魔獣は4本の腕を振り、霧の様な何かを飛ばした。そして轟音を立てて直径6メートルほどの木を7切り倒した。


「・・・っな!後ろの木が切れたぞ!あいつ何をしたんだ?」


「・・なるほど!これでわかったよ、あいつの能力。きっと腕から霧状のの刃を飛ばして切り裂くんだ!」


「・・・・なるほどね。ならあの魔獣は風属性かな?」


「わかんねぇけどやるしかないぞ。覚悟を決めようリュール、リューラ。」


「・・・その通りだね、ザザ。・・よし行こう!」

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