第10話 エロ

エロ、この言葉で、あなたの頭に浮かぶのは何?

思春期の男の子?

それとも、ムネのデカい女の子?

それとも、古代ギリシャのヴィーナス像であろうか?


それ以外の妄想をここで書く暇はないので、想像の話はここまでにするが、私が論じたいのはそういう話ではない。

少しはそうなんだけど、違うのだ。


エロは必要なんだよ、人類には。

ヒトが生物である以上、エロいとかの状態、つまり魅惑的な雰囲気とか、異性を惹きつける雰囲気とか、重要な案件なんだ。

これは、本能に直結しているモノであり、どうしてもそこから回避することは不可能であろう。


いわゆる聖人君子とか、エロ話をしないヤツなんて、つまらんヤツであろうことは、誰も想像に難くないであろう。

実際に、話をしていても、艶のある話は、面白い。

女子なんてものは、幼い時から、エロいのだよ。

なぜかというと、女子は本能的に、男子を選別しようとするのだと思う。

そして、それは、幼い時から発揮するのだ。


幼い頃から、彼がいいだの、いろいろと噂をする。

もう、その辺のおばさん予備軍なのさ。


まあ、男子も男子で、女の子にちょっかいを出す。

その手口は、幼い時ほど、容赦のない、自分勝手なものとなることが多かった。


私の大好きな綺麗な子が、男子に、寄ってたかって悪口を言われて泣かされた。

たぶんだけど、その男子の殆どが彼女の事を好きだと思ってたハズだ。

その男子の一人に、私の好きな子が居た。

ふつう、彼がそんな事をするような子ではないのだが。


彼は、その女の子の隣の席で、責任はその彼になすりつけられた。

私は、彼だけじゃないのにと思って見ていた。


彼は、ずっと黙ってたんだけど、『お前も〇〇に言えよ、もしかして好きなのか?』って言われて、つい言ってしまったのだ。

すると、彼女がついに泣き出してしまったので、彼が悪いことになったのだった。

先生がやって来て、彼に謝るようにと、彼に迫った。


私は、ただ、どうなるのだろうと、おろおろして見ていた。

彼は、何かに耐えるように俯いていたけど、でも彼女の方を向くと、きっぱりと『ごめんなさい』って謝った。


実は、彼は彼女の事が好きなのだった。

私は、彼の事をよく見ていたし、彼女とも仲が良いので、それに気がついていた。

女の子は、そういう事には、とても敏感なのだ。


その後、彼女と彼の仲は、もちろん何もなく、むしろ彼らが話したりすることはなくなった。

彼女は、彼の事が嫌いになったから。


私は、彼が、ごめんなさいってしっかりと謝った姿を忘れていない。

立派だったよと、言ってあげたかった。

でも、言った事実は変わらないから、その事に関しては立派ではないんで、何と言っていいのか、幼い私にはわからなかった。


後で、私は群集心理ってモノを知る。

あれは、男子たちが群集心理にハマったせいで、彼と彼女はその犠牲になったのだろう。


別に、彼はその男子たちに仲間はずれされることも無く、一緒に遊んだりしてるのだが、実際の心のうちはどんなだったんだろう?


私は、そんな小さい頃から、そのようなモノを見たりして考えたことで、印象に残った事柄として、今も思い出すことができる。


何かの事が起こった時、それについて考えを深めていく作業は、今も尚、継続中だ。

これは、なにも脳の働きを良くしたり、記憶を良くしたりとかを狙っている訳でなく、騙されることなく、心豊かに生きていくために必要な事だと思う。


考えろ、感じろ、言葉にしろ!そして思い出せそうになければ、書き残せ!

そうして生きていくことで、潤いを持ち、楽しく生きれるのだと、今の私は本気で考えてる。

つまり、そのためのエッセイでもあるのだよ、このゴマちゃんは!


今回は、ここまで!




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