巨乳推しのギャルゲー転生 ~巨乳美少女が攻略対象のギャルゲーの主人公に転生した俺、不本意でおっぱいやおしりを触ったり埋もれながらも、ヒロインをバッドエンドから救う為に奮闘してたら全員から好かれ始めた件

ゆうき@呪われ令嬢第二巻発売中!

一章 ギャルゲー世界に転生しました

第1話 前世を思い出した!

「はぁ……ようやく終わった」


 カーテンを閉め切り、暗闇に包まれる自室の中。唯一の光源であるパソコンの前で、俺は大きく背伸びをした。


 パソコンのディスプレイには、めっちゃ可愛い三人の美少女が映っている。ブロンドのポニーテール少女、黒髪ストレートロングの大和撫子、深緑色のおさげの眼鏡少女の三人だ。ちなみに全員巨乳だ。


 これは、いわゆるギャルゲ―と呼ばれるもののタイトル画面だ。


 家で出来るバイトをしながら、安価で手に入れたギャルゲ-をやりまくるのが、俺の唯一の生きがいと言ってもいい。


 やり始めたきっかけは些細なものだ。見た目がブサイクでデブ、そして体質のせいで髪が薄いという理由で、俺は学校でいじめられて、ぼっちになった。


 最初はいじめっ子に反発していたんだが、一向に改善される気配は無かった。結果、もう色々と面倒になった俺は、家に引きこもるようになった。


 そんな俺が、気まぐれで有名なギャルゲーをプレイしたら、見事にはまってしまったというわけだ。


「さて、本命の二週目をやらないと……でも正直疲れた……」


 流石に何日もほとんど寝ないで、溜まったギャルゲーを消化するのは負担がデカい。それに今回プレイした作品――【ラブリーガールズ】は、タイトルこそダサいものの、三人のヒロインがめちゃくちゃ好みだから買ってみた。


 だが、このゲームには一つ大きな問題があった。


 その問題とは、どのヒロインのルートに入っても、必ず一回は各ヒロインのバッドエンドを見なければ、グッドエンドを見れない仕様だった。


 他のギャルゲーマーに怒られそうだが、俺はギャルゲーをプレイする際に、極力バッドエンドは見ないようにしている。可愛いキャラ、推しのキャラが不幸になるのを見るのがつらいからだ。


 そんな俺には、このゲームの仕様はかなりしんどかった。しかし、ギャルゲーマーの端くれとして、一度プレイしたゲームはやり切りたかった。


「主人公が気弱であまり好きじゃないのと、バッド確定が無ければ良かったのに……まあいいや。とりあえず少し休憩してから、グッドエンドを見るか……飲み物を取って来よ」


 俺は自室を出て、一階にある台所へと向かう。全然時計を見てなかったから気づかなかったが、外が明るくなっているな。


「ふぁ~……あ、あれ?」


 階段を下りながら大きく欠伸をした瞬間、強い眩暈と脱力感に襲われ、そのまま前のめり倒れて階段から転げ落ちた。


 目の前が真っ暗で、体に全く力が入らない。それに……どうしてこんなに眠いんだ? 普通の眠気とは違う、まるで意識を丸ごと持っていかれそうな……。


 そっか、俺……ここで死ぬのか……ギャルゲーのやりすぎが原因で階段から落ちて死ぬとか、ダサすぎるだろ……。


 まあ……いいか。ギャルゲーが出来なくなるのは少し悲しいが、もうかなりのタイトルを遊んだし、生きてても希望もないし。


 ただ、唯一心残りなのは……ラブリーガールズの三人のヒロインを……幸せにしてあげたかった……。



 ****



 ジリリリリリ――


「う~ん……うるさいなぁ……」


 枕元で鳴り響くスマホを手に取った僕――磯山いそやま 陽翔はるとは、眠気眼を擦りながら、スマホのアラームを止めた。


 なんか変な夢を見たな……変な引きこもりになった夢だったような……?


 なんであんな変な夢を見たんだろう。よくわからないゲームもやってた気もする。ついでに階段から落っこちるし。ていうかゲームのしすぎでふらついて落ちるとか、さすがにどうかと思うよ。


 それにしても、夢の割には随分鮮明に覚えているなー……寝不足の時に感じる不快感とか、階段から落ちた時の浮遊感とか体に残ってるよ。頭もやたらと痛い……。


「まあ……しょせん夢だし、考えてても仕方ないよね。今日から父さんが出張で事実上の一人暮らし状態だし、気合入れないと!」


 幼い頃に母さんを亡くした僕は、大学教授をしている父さんとマンションで二人暮らしだ。その父さんは、長期の出張で昨日日本を発った。だから今日から僕は一人ぼっち。


 でも、父さんに心配かけないためにも、ちゃんと規則正しい生活を送らないとね! 明日から高校生になるんだし、尚更しっかりしないと!


「さて、まずは朝ご飯の準備だ! 料理なんてほとんどした事ないから、スマホでレシピを調べないとだなぁ。何を作ろう――」


 ピンポーン――


「こんな朝早くにお客さん? まだ九時前だっていうのに……へ、変な勧誘だったらヤダなぁ……」


 ピンポーン――ピンポンピンポンピンポン!!


「うわぁ! い、今でまーす!」


 とんでもないピンポンラッシュにビックリした僕は、来客が誰かを確認する前に玄関を開ける。そこに立っていたのは、大きな荷物を持った女の子だった。


 ブロンドのポニーテールと、澄んだ海のように青いクリッとした目、そしてあまりにも主張が激しい豊満な胸が特徴的な、とんでもない美少女だった。


 僕はその美少女に見覚えがあった。会うのは相当久しぶりだけど、忘れる事など出来ないくらい、幼い頃に沢山見た顔だ。


「あ、あれ……? ソフィア!?」


 彼女の名前は小鳥遊たかなし ソフィア。日本人の父とアメリカ人の母を持つハーフの少女で、僕の幼馴染。


 小学校の低学年までは毎日のように遊んでいたけど、両親の仕事の都合でアメリカに引っ越していったんだ。


 そのソフィアが、どうしてここにいるんだろう? 定期的に連絡は取っていたけど、来るなんて連絡は一切聞いていない。


 まあそんなのはどうもでいいや。それよりも、ソフィアに会えたことを喜ぼ――


「ハルー! 久しぶりー!!」

「ふぐっ!?」


 ソフィアは満面の笑顔を浮かべながら、僕に遠慮なしにダイブしてきた。その跳躍力は凄まじく、ソフィアの豊満なおっぱいが僕の顔に襲い掛かってくるほどだった。


 そして、ソフィアを受け止める程の力を咄嗟に出せなかった僕は、勢いよく床に倒れ、頭を強打してしまった。


「い、いったぁ……」

「あ、ご……ごめんハル! 嬉しくてつい……大丈夫!?」

「……だ、大丈夫……や、柔らかい……あれ?」


 頭を打った衝撃なのか、今朝見た夢の事が、鮮明に頭の中に浮かび上がった。


 それどころか、夢の内容で出てこなかった事までが大量に浮かんできた。まるで他人の記憶が、頭に流れ込んできたかのように。


 なんだこれ……僕は……いや、は……!?


「本当に大丈夫……?」

「……思い出した」

「え、何を思い出したの?」

「……間違いない……俺は……」


 信じられないが、俺の頭には……今まで生きてきた記憶の他に、今朝見た夢である、容姿のせいでいじめられて引きこもった記憶や、階段から落ちた記憶の他に、色んなギャルゲーの記憶がある。


 そして……目の前の少女が、俺がプレイしていた、ラブリーガールズのヒロインだというのも断言できる。


 そうか。俺は……あの日階段から落ちて死んで、ラブリーガールズの主人公である、磯山 陽翔に転生してしまったんだ。


 ……転生……そうか転生か……。


 ……なんでだよおかしいだろ!? ギャルゲーの主人公に転生とか意味わかんないんだが!?


 もしかして、死ぬ間際に三人を幸せにしたかったとか思ったから!?




【あとがき】


 私の作品を手に取ってくださり、誠にありがとうございます。これから始まる陽翔と巨乳美少女達との、バタバタしつつも楽しい生活をお楽しみください。


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