混血の少女とひとりの少年

五月雨皐月

プロローグ

「君を知りたい」

 そう告げられたあの日。俺は君と出会った。

 廃墟から差し込む月夜つきよの光が君のことを照らし、その姿がいまでも脳裏に焼き付いている。

 そして君は地に倒れ付した俺に歩み寄ると手を差し伸べ、そっと俺を優しく抱き締めてくれた。

 その時の君は優しさで満ちていた。しかし、どこか君の瞳からは孤独を感じたのを覚えている。

 それからはとても輝かしい日々の連発だった。

 時に笑い時に涙して、今になった。

 そして、これからも一人の少年と少女は共にこの世界を歩んでいく。

 月夜のきらめきが彼らを照らすまで。

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