カナタノショコ
まきなる
あわあわあわあわ
あわあわあわあわ
「あわわ!あわわわわ!」
「あわあわわ?!?!」
排水溝に溜まった泡達が、何やらお話をしているようですね。一体、何をお話しているのでしょうか?あ!耳をすませば、聞こえてくるようです。ほらほら!あなたもどうぞ。
「ねぇねぇ!宇宙の全てがわかった!」
「何言ってんの?!?!」
「だって!宇宙ってきっと僕たちみたいにふわふわ~って存在するんだよ」
思ったよりも、壮大なお話のようですね。
「ふわふわって、何もわからないよ!」
「美味しそうだね。綿あめみたいなのかな」
「綿あめ食べたことがあるの?」
「無い!」
元気にお話していて微笑ましいです。あれ、どうしたのでしょうか?泡達の様子が何かおかしくなってきました。
「あわわ!もう時間がない時間がない!」
そうです。泡が消えてしまう時間が、もうすぐそこまで来ていたのです。
「どうしよう、どうしよう!」
「待って!君は宇宙の全てがわかったんだよね?」
「うん」
「じゃあ私たちがどうなるのかも、わかるのでしょう?」
フルフルと体を揺らして答えます。
「わかるよ!」
「じゃあ、何があるの?」
「えーっとね!この先にh―」
―パチュン
―パチュン、パチュン、パチュン
泡達は流れていきました。何をお話したかったのでしょうか。もう誰にもわかりません。ですが、こちらにも、こちらでも声が聞こえて来ますね。さぁ、あなたも耳を澄ましてみてください。きっと、次の声が聞こえてくるはずです。
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