第248話 異世界野球対決 ピッチャーのスカウトと某国の暗躍 11月上旬

<<サイレン タマクロー邸>>


「ベガス!」


「かしこまりました」


ディーの『ベガス!』でベガスさんが全てを察し、部屋を出て行った。ガイアを呼びに行ったのだろう。


「あいつは、小さい頃からよくモノを投げては壊していたからな・・・今から呼んで来させよう」と、ディーが言った。



・・・・

<<野球場>>


サイレンのピッチャーマウンド、翻るはシングルドリル。


軍服に身を包んだガイアがマウンドに上がる。盛り上がった土の上にちょこんと立つ。

ガイアは、まだ軍の再編中でサイレンにいたらしい。


「なんで、私がこんなことを・・・」と、ガイアが恥ずかしそうに言った。


「いや、上官命令があっただろう。少し投げてみろ」と、キャッチャーミットを付けてしゃがんでいる俺が言った。


「ガイアさ~ん!」「がんばれ~~」


俺たちが野球場で投球練習をやっていると、早速噂を聞きつけた日本人達が集まって来て、声援を上げる。


「ふん。よし、タビラよ。ちゃんと受け止めよ!」と、ガイアが言って、握りしめたボールをこちらに見せる。


今回は、何故か俺がキャッチャーだ。やったこと無いのに。


ガイアが小さく振りかぶり、「おりゃ!」と、言って投げる。


腕がぶううんと音を立て、硬式ボールがシュ~と風を切りながらこちらに飛んでくる。

そして、バシン!と、ミットに突き刺さる。地味に痛い。ミット付けているのに痛い。野球をする時って障壁を消さないといけないし、かなり怖い。


「おお~~!」「すごいストレートだ!」


「凄いわガイアさん! 練習よ! まずは握り方から!」


斉藤さんが大興奮。夕方までガイアの投球練習に付き合うことに。誰かキャッチャー変わって欲しいのだが。



・・・

<<バルバロ邸 宴会場>>


「いや~ガイアさん凄い! こんなピッチャーが隠れていたなんて」と、斉藤さんがベタ褒める。


「そ、そうかの~」と、ガイアが嬉しそう。


今、野球関係者でガイアを囲みながら、宴会場でお酒を飲んでいる。

ちなみに、ガイアは俺の斜め前の席にちょこんと座っている。


地べたに座るのは慣れていないらしく、あぐらをかいたり、足をバーンと投げだしたりしている。


ところで、高給レストラン以外での外食は、ディーは駄目だけど、10女のガイアはいいらしい。区別が良くわからない。


「よし。ピッチャーはガイアさんで決定。これは寄付も集まるわよ。後はデッドボールさえ気を付けてくれたら」と、斉藤さんが怪気炎をあげる。


「一応、オレもピッチャーできるぜ?」と、ドネリーが言った。彼は高身長でハニーフェイスだから、女性に人気が出ると思うのだ。


「ドネリーさんは抑えかな・・・でもキャッチャーもできるのよね」


斉藤さんがノートを取り出し、長机を囲んでわいわいとメンバー選出と作戦が練られている。


「いいなぁ。システィーナ達。メジャーリーガーと親善試合するんだろ? スター選手とか誰がいるんだろ」と、高遠少年。


「今はシーズンオフだろ? それに、こんなに急遽開催で集まるんだろうか。女子選手とかどうするんだろう」と、徳済さんのお子さんが言った。颯太君だったっけ? 家に帰ってもお父さんが居ない颯太君。どう思っているんだろう。


「まあ、親善試合だからねぇ。女子選手は、ほら、アメリカはソフトボールとかも強いし」とは斉藤さんの娘さん。茜ちゃんだったと思う。


子供達も、野球の話題で持ちきりだ。


「た、タビラぁ・・・その、わたし、異世界で野球してもいいんだろうか・・・」と、ガイアが少し目を潤ませて言った。


「いいと思うぞ。お前だったら、きっとスターになれるさ」


「いや、わ、私はスターになりたいわけじゃなくてだな・・・その・・・」


「ああ、アメリカには俺も一緒にいくさ。心配すんな」


俺はガイアの好意を知っている。だから、こんな発言をするのも少し心苦しい。


「そうか。お前がいるんなら、私は勝てそうな気がする」と、ガイアが言って、笑顔になる。


いい笑顔だ。少し心が苦しくなる。


「ああ、がんばれ」


「見ていてくれるか?」


「もちろん。応援するさ」


俺はTVカメラの前に姿を現すことができないけど、どこかで応援することくらいはできるだろう。


・・・・


宴会が終わり、俺はガイアをタマクロー邸まで送って行くことに。


なぜかツツのヤツがいない。きっとどこかに隠れていると思われる。


・・・まったく。気を利かせてくれているつもりなのか?


「なあ、タビラ。以前、お前は約束してくれただろう?」と、ガイアが言った。


はて、何の約束だ?


「・・・困った時は助ける、だったか。確かそうだ」


王城で誓い合ったっけ。懐かしい。もう一つあった気もするけど・・・


「そ、そうじゃ。それだ。だからな。困ったら助けに来てくれよ・・・」


「ああ。分った」


2人で夜道をてくてく歩く。ここは、バルバロ邸の庭の中だ。ここを通った方が、タマクロー邸までショートカット出来るのだ。所々に街灯はあるが、人通りは少ない。


「なあ、タビラ・・・」


「なんだ?」


「手を繋いでもいいか?」


何を言っているんだ? まあ、俺とガイアが手を繋いでもお子様を連れて歩くおっさんにしか見えない。

手くらいいっか。


「いいぞ。ほれ」と言って、右手を出してやる。


「あ、ああ・・」と、ガイアが言って、俺の手を握る。


手を繋ぐと、歩くスピードが一気に遅くなる。

思わずガイアをチラ見してしまう。

ガイアは満面の笑み、ではなく、どこかそわそわしている。恥ずかしそうな顔をしながら。


何だか娘みたいだ。桜子も、こんな風に男を好きになる時があるのだろうか。


何故か、そんな考えが頭をよぎる。いや~今日も月が綺麗だ・・・


「ふん!」


「ごふう!」


直後、鳩尾に鋭い衝撃を受ける。その後、腰の周りをがちっと締め付けられ、持ち上げられる。


そして猛ダッシュ・・・からのぉ、フォール!


ドサ! と音を立てて地面に倒される。


「ぐえ! どうした!? あ痛ぁ!」


敵か! 敵襲か? 砲弾かナニカを避けるために、押し倒された?


そして、歯にがちっと何か固いものが当たる。


いや・・・目を潤ませたガイアが血だらけの唇を拭っている。


「ど、どうした? ガイア、一体・・・」


「しぃ~~~」と、ガイアが言う。


静かにしろと言うことらしい。


草と低木が生い茂る中、俺の上にはガイアが覆い被さる。


「ファーストキス・・・固くしておるし・・・ここで、いいじゃろ? な?」


「おいおい。どうしたガイア。ちょ・・」


『あん、あんあんあん、さっき、こ、声が聞こえたわ・・駄目よ。あん』 がさがさがさ・・・『うう・・でも、でも、もう』・・がさがさ・・・『あんんふん』


少し遠くで、あの時の声が聞こえる。


「・・・先客がおったようじゃ・・・」と、ガイアが言って、とても残念そうな顔をした。


まさか、俺、今襲われた? ガイアは意外と肉食獣だったのか。

まあ、もう25だしな。いや、歳は関係無いか。


「なあ、ガイア。今日の所は帰らないか?」と、提案してみる。


「ちっ。止めてもいいがのぉ。それならば、私のお尻に回した手、離してくれぬか? ん? いいんじゃぞ? このままここでしても」と、ガイアが言った。何時の間にか、俺の手は・・・


・・・・


鋼の精神で耐えた。でも、柔らかいモノから手が離れるのに1時間くらいかかってしまった。手が悪い。そう、手が悪いのだ。


そんなことを思いながら、再びガイアの手を引いてタマクロー邸を目指す。


屋敷に近づく。玄関の明かりの下にいるのはディーか? 何やってるんだ? あいつ。


「お、お帰り。なんだお前ら。遅いと思って待ってた、が、は?」と、言ってディーが固まる。


「どうした? ディー。いや、さっき転んでしまって」


「いや、ああ、まあいいんだいいんだ。そうか、うん」


「どうした? あれ? ガイア、お前口が・・・」


「お? タビラ、お前も口が割けて・・・」


ガイアの顔を明かりの下でよく見ると、唇がぱっくり割れて、血がダダ漏れになっていた。

ちょっとしたホラーだ。


俺の口元にもその血が付いていたらしい。傷口と血痕は魔術で直ぐに綺麗になった。


「じゃあ、出発は明日じゃな。ここで待っておる」と、ガイアが言った。


「じゃあ、明日。迎えに来る」


今日はこのまま別れ、五稜郭建設地に泊めてある軽空母でおとなしく寝た。



・・・・

<<次の日のサイレン>>


今日はタマクロー邸に集合。


今日はここの空き部屋を一つ借りて、『パラレル・ゲート』を繋ぐ計画だ。


今回の作戦は、スポーツ組と外交事務組がこれから渡米し、打ち合わせを行って1泊する。

そして、試合の準備とタマクロー大公の渡米の地ならしをする。


アメリカ大統領とタマクロー大公のファーストコンタクトは明日だ。今回は顔見せを行う程度で大した外交はしない予定だ。顔見せしてカメラの前で握手をした後は、親善野球試合観戦の運びとなる。


試合後は、会食会見も無しですぐに帰る。その後、再度外交内容をすり合わせて、今度は国賓として渡米する目論見である。


なお、タマクロー大公は、今日の夜(アメリカでは朝)に、俺が連れて来る手はずになっている。

なかなかの強行スケジュールだ。さくさく行かねば。


スポーツ組は、徳済さんと斉藤さん。異世界からはガイア、モルディ、システィーナの女性組と、ドネリー率いるブレブナー家の男性組が参加する。

外交事務方は、水政くんとラメヒー王国の外交官数名だ。


「さて、移動メンバーはこれだけか? まあ、一応、『パラレル・ゲート』がもう一つあることは秘密にして欲しい。マ国関連だと思ってくれたらそれでいいから」と言って、一応、俺が持つゲートの事は口止めしておく。


・・・・


さっそく、全員でゲートを潜る。


ゲートの先には、数名のアメリカ人がいた。端っこの方に、小田原さんとアメリカンベクトルさんの姿も見える。


アメリカの外交担当者が、俺たちが全員出てきたのを見計らい「アメリカにようこそ。お待ちしておりました」と、言った。


「おお。ここがアメリカか。異世界の貴族では、おそらく俺達が初の異世界転移経験者だ。光栄だぜ」と、ドネリーが言った。もちろん、『正式には』だが。ここは黙っておいた。


「なんだ。この壁は。ぬくもりの無い感じだな」と、モルディが言った。


「これはコンクリートだ。異世界ならではかもしれないな」


異世界組は挨拶もそこそこに駄弁り出す。


「じゃあ、多比良。俺たちは外交の下準備に行ってくる。明日は、朝から俺がここに来て外務卿をエスコートする。転移は任せたぞ」と、水政くんが言った。


「分った。頑張って」


「任せろ。絶対に不平等な約束なんかはさせない。まあ、今回は本当に顔見せだけだ」と、水政くんが言って、ラメヒー王国の外交官と一緒に去って行った。


さて、我々はどうすれば? と思って、部屋にいたアメリカンベクトルさんの方を向く。


すると、彼が一歩前に出て、「ここの球場は、予定通り明日までずっと貸し切りにし、我々以外誰も入れない。国家の威信にかけて、ここの安全は保障される。練習も可能だ。練習相手が必要なら、手配も出来る。どうする?」と、言った。


「どうする、モルディ?」と、表向きの監督であるモルディに聞いてみる。


「そうだなぁ。球拾いがいると嬉しいな」と、モルディが言った。


「了解だ。それからミスタータビラ。皆様方も。これは提案だが、インタビューを受けないか? いやなに、そんなに気張らなくてもいい。今の政権与党を支持するメディアを使う。悪いようにはしないと思う」と、ベクトルさんが言った。


「私達の目的の一つに、寄付を募るというものがある。インタビューが少しでも役に立てるのなら、私は別にかまわない」と、ガイアが言った。


「ガイア殿が良いなら私に異論はない」と、モルディも賛成の意見だ。


「私も大丈夫。男爵だしね」と、システィーナもやる気だ。


俺の後ろに控えるツツの表情を見ても、警戒していない。大丈夫だろう。なお、インタビューは異世界メンバーだけだ。日本人メンバーは非公式入国なのだ。


「分りました。野球組のインタビューは大丈夫です。日本人組は遠慮しておきましょう」


・・・・


インタビューはまだ準備が出来ていないらしく、まずは練習をすることに。


皆一斉にグランドに出る。広いグランドだ。


俺と徳済さんは、ベンチでその様子をポケェと見て過ごす。斉藤さんは、ノックやガイアの面倒を見てやっている。


ガイアは肩が強いとはいえ、野球を始めて2日だからな。

今回は死球さえしなければよし、ということで、余計なことは教えず、ひたすらど真ん中に投げる練習をしている。


しばらく練習をしていると、アメリカンベクトルさんがやってきて、「ミスター・タビラ。インタビューの準備ができた。休憩にしないか?」と言った。


・・・・


インタビュー中は、俺を含む日本人組は隠れておくことに。ツツに同席して貰って、護衛兼よからぬ事を考えていないかチェックしてもらう。


「ふう。ここまでは順調か」と、控え室で徳済さん達と駄弁る。


「そうね。少し性急過ぎる気がするけどね」と、徳済さんが言った。


「おや、徳済さんともあろうものが不安?」


「そうね。ラメヒー王国の重要な外交だもの。本来、私達が口を挟むような事じゃないのよ」


「そりゃそうだけどね。でも、スタンピードには勝って欲しいからなぁ。日本があんなだし」


「そうだけど・・・」と、徳済さん。


「そです。性急です」と、ユーレイさんが言った。


はい!?


「あ、ユーレイさん、アメリカに来てたんだ」


本当に神出鬼没な幽霊だ。いや、この場合は妖怪ぬらりひょんかな? いつの間にか会話に入っていたし。

徳済さんと斉藤さんが絶句している。


「そうです。初渡米です。まだエーゴが微妙です」と、ユーレイさんが言った。


今日のユーレイさんは、お尻がフーターズ的にむっちりしていて、顔も少し派手だ。


「それで、まこくさん達が一体何故ここに?」


「ラメヒー王国の外交と言いつつも、マ国に関係してくるから。無慈悲な潜入命令が出たんです。ほんとユーレイ使いが荒い」と、ユーレイさんが言った。


きっと酷使されているんだろう。だって便利なんだもん。同情する。でも、この人達って一体何人いるんだろう。


「そうなんだ。なんかごめん」


「いいんですけどね。だけど、少し性急すぎ。このイベント、警備計画がずさんです。しかも、明日来賓も入れるしメディアも入れるんです。ここ、人数が多すぎるし、誰が来るかも分らない。我々でもチェック不可能」と、ユーレイさんが何時になく真面目な顔をして言った。


「まじかぁ。まあ、思い立って数日しか経っていないからなぁ・・しかし、ここまで来て引き返すことも出来ない気がするけど」


「我々の魔術障壁は拳銃くらいなら貫通しなかったわ。今回は医者であるモルディベートさんもいるし。後はアメリカの国家の威信とやらを信じましょう」と、徳済さんが言った。


・・・・


インタビューを受けに行ったメンバーが戻って来た。ユーレイさんはどこかに消えていった。


インタビューでは、ありきたりなことしか聞かれなかったらしい。


一応、全員にユーレイさんからの情報を伝えておく。

野球をする時は、ボールをキャッチする時など、魔術障壁を故意に消すシーンが多々ある。


だが、極力、障壁を出しておくように、気を張っておくように伝える。


「心配するなタビラ。外交は戦いのようなものだ。ここは国交のない外国なのだ。完全な安全地帯などない」と、ガイアが言った。忘れがちだけど、ガイアは軍人なのだ。


「そうだぞタビラ殿。気にしすぎだ。堂々としておけばよい」と、モルディが言った。モルディは、何故だか凄く頼もしい時がある。不思議な女なのだ。


ま、何とかなるかぁ。石橋を叩きすぎても先に進めない。


夜は、ベクトル家のホームパーティに呼ばれている。宿泊も彼らのゲストハウスに泊まれるらしい。ホテルよりも安全なんだと。ちなみに、水政くん達は別行動。夜遅くまで仕事するそうだ。


・・・


ベクトルさん家は桁違いの超大豪邸だった。もちろん、庭にプールもあったし、ヘリポートもあった。ドーベルマンを連れた完全武装のガードマンもうじゃうじゃいた。真偽はわからないけれど、対空ミサイルも隠し持っているらしい。スーパーリッチは桁が違うわ。


色んな人に挨拶されながら、高級バーベキューを楽しんだ。俺の恐竜ハント動画は、ベクトル家が自慢しまくっており、ゲストのアメリカ人スーパーリッチ達から色々と話かけられた。結構有名になっているらしい。少し恥ずかしい。

そんな感じで、親善試合前夜は過ぎていった。



◇◇◇

<<某国のアメリカ在住諜報部隊>>


「アメリカも大きく出たものだ。世界中、このイベントのニュースで持ちきりだ」


「最初は日本と思っていた。やつらは慎重すぎたな」


「慎重と言うよりかは怖いのだろう。何かあった時の責任がな。異世界由来の菌やウィルス。微生物か・・・異世界に転移した日本人600人は全員無事だというのにな。滑稽なことだ」


「しかし、この状態はまずい。異世界とアメリカが接近すると、下手をするとパワーバランスが崩れる。反重力やバリアなどとふざけた技術がある世界らしいからな・・・お? 本国から指令がきた・・・暗号を解読する」


「ほう。このタイミングなら、異世界がらみか?」


「・・・そうだ・・・これは・・・ふぅ~~貴重な飼い犬を使い潰す必要がありそうだ・・・」


「これは!? 本国も思い切ったな」


「それだけ脅威に感じているんだろう。今ならまだ間に合う、とも考えているのだ。仕方が無い。急いで動くぞ」


「分った」


潜入組織が暗躍を開始する。

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