第60話 エピローグ 6月30日 検査と宴会と そして

ガン!ガン!ガン!


「ほれぇ。起きろ! ほれぇ。起きろ! ほれぇ。ほれぇぇぇ!!」


起こされた。


この起こし方は人を選べない。仕方がない。もちろん、二度寝する。


鬼の匂いを思い出しながら。


ドン!ドン!ドン!


「タビラ殿。そろそろ朝食の最後だぞ!」


モルディが起こしにきた。これは起きねば。食堂の人に迷惑がかかる。もぞもぞと起き出す。


朝餉を食べてモルディに世話を焼かれる。

こいつとのお別れも近い。


俺に世話を焼いた後、モルディはどこかに出かけて行った。


・・・3度寝するか。


自室に戻り、寝る。鬼の匂いを思い出しながら。


ドン!ドン!ドン!


「お願いだぁ~~~。助けてくれぇ~~~。このままでは間に合わない~。あと少し、後少しなんだ」


目に大きなクマを作ったネメが、泣きを入れる。


時間は朝の10時過ぎ。検査は13時過ぎのはずだ。まだ出来ていなかったのか。


仕方が無い。しかし、『力を隠せ』 昨日、イセに言われた言葉が頭の中に再生される。


俺は、ほどほどに手伝うことにした。


「クレンさん! こっちこっち」「クレンさん!今度はこの穴に石を差し込んで」「クレンさん! ここの石の分別が止まっています」「クレンさん! 今度はこちらに」「クレンさん! 今度もこちらに」「クレンさん! 俺が彼女になります」「クレンさん! 私も彼女にしてぇ」「クレンさん!」「クレンさん!」「クレンさん!」「クレンさん!」「クレンさん!」「勝った。クレンさんの彼女は私ね」「クレンさん!」「クレンさん素敵ぃ!」「クレンさん!」



「「「「「ク・レ・ン!ク・レ・ン!ク・レ・ン!ク・レ・ン!ク・レ・ン!ク・レ・ン!」」」」」


初期メンバーがノリノリで声援を送ってくれる。最後と分かっていて、お祭り騒ぎしているのだろう。


・・・・


結局お昼は、空の上で食いながら、検査ギリギリまで作業した。

いや、ランカスター家の方々はまだやっている。


検査は一番北のブレブナー家から順に南下していくらしく、工事区間が南のランカスター家は最後なのだ。


・・・・


「それでは、『第6次城壁拡張事業』の検査を始めます。まずは第1区画からだ」


検査開始。

第1区画はドネリーの区画だ。


今は、軍務卿を名乗る小さなおじさんと他3名の検査官、そしてドネリーとその補佐3名が後ろを着いていって、説明を行っている。

軍務卿は身長150cmくらいだが、腕は丸太のように太い。この体格の人は、この国には結構いる。


俺とモルディは、次の区間なので、その後ろを付いて行っている。検査は、結局、俺も参加することになった。


今日はイセの所に行きたかったのに。というか、嫁にも相談せねば。


「ここの幅が1cm足らぬ」「はい、済みません。今から埋めます」


「ここの高さが3cm足らぬ」「はい、済みません。今から盛ります」


「ふん、恥ずかしいと思わんのか、お前らは」「はい、済みません。今後気を付けます」


この検査官、どうでもいいことに細かい。石積みなんだから表面のでこぼこで1cmどころか10cmくらいは誤差があってもおかしくないだろうに。


・・・・


「ここの幅が5cm足りぬ」「はい、済みません。今から埋めます」


「チッ! しょうも無い仕事しとるのぉ」「はい、済みません。今後気を付けます」


「まあよい。タマクロー家の第2区間もOKだ」


やっと、終わった。


こいつの顔は覚えておこう。


・・・・


マ国大使館にやってきた。

タマクロー家の検査は終わったし、ランカスター家の方も間に合いはしたようで、夜の宴会まではヒマになったのだ。


「イセぇ~、イセさぁ~ん」


って、部屋に誰もいない。

自由にしていいって言われてはいたんたんだけど。


ソファに座って待っておくというのも、時間がもったいない。


「お~い。ジーさんや」


ジマーのジーさん。いないのか?


寝室を開けるのも気が引けたので、廊下に出てうろうろしてみる。


「あ、おじさ~ん」


ジニィが現われた。こいつは、巨乳の持ち主。イセより一回り小さいくせに、胸のあたりはイセと同じくらいある。髪の色と角はイセと同じであるため、並ぶと姉妹のようである。

背だけで無く、顔の形もジニィの方が丸っこいので、童顔に見える。


ただ、こいつは目力が強い。顔だけ見るとまるで男のようなのだ。


あからさまに胸を突き出して誘惑してくるが、触ったら火傷しそうなので、触らろうと思わない。


「ん~? 失礼ですねぇ。触ってもいいんですよ? 時間と場所を選んでくれれば」


「くっ・・・」


こいつは、マ国のハニートラップ要因と思われる。手を出したら何かされるに違いない。必死で我慢しながら廊下を案内される。


「おう、来たか。まだ専門家は到着しておらぬ。しばらくは、このままじゃな」


ここがサロン室か。イセは椅子に座って優雅にお茶を飲んでいる。イセの後ろにはメイドさんが控えている。リアルメイドだ。


「ん? ここって」


窓から見えるこの広場には見覚えがある。


「そうですよ~。おじさん達、あそこで遊んでいたでしょ。私みてたんだぁ~」


「そうか。なつかしいな。あの広場、大使館の近くだったんだ」


今はどうでもいい情報。昔の話。


あの四阿あずまやもなつかしい。ん?


アレは、勇者? と、例の高校生女子!


四阿の下で話をしてんのか? 立ったままで?


「しぃ~!」 ジニィが口に指を立て、違う手で俺の腕を掴む。しゃがまされる。


高校生女子が両手を胸の前で組んで何かを伝える。


高校生勇者は直立不動。


10秒くらい経つ。


「あ!」「しっ!」


高校生女子が勇者に抱きついた。


女子の方が目をつぶり、じっと何かを待つ。


どうなる? どうなる?


キス? キスをするのか? 徐々に顔が近づいていく。


「「・・・・イッタぁ~~~~~~!!」」


「青春。青春ですねぇ~。ああ、勇者が聖女の背中に手を回しました。ドサクサでおしり掴んでますね」


「おおぉ、若いなぁ。キスしたまま今度は上の方も」


「はぁ~~」


「誘惑に負けちゃったか、勇者君。まあ、あれは仕方が無い。あの巨乳は。お互い若い体をぶつけ合って。ありゃ、勇者の方、もぞもぞし出したぞ?」


「ね、お・じ・さ・ん!」


ジニィが俺に抱きつき、目を潤ませて顔を近づけてくる。

くっこいつ、いい匂いを。


「おぬしら、わしを忘れておるじゃろう」


イセが助けてくれた。


・・・・


結局、マ国大使館では大した話もしないまま、移動砦に戻って来た。ジニィのせいだ。


タマクロー家の移動砦の横には他2基の移動砦が並んでいた。その前に即席の宴会場が作られており、各砦の調理場から次々と料理が運ばれている。


今日はお酒も出るようだ。


俺がジニィと一緒に覗き見している間に、みんなで準備したんだろう。


ちなみに、強制労働者達はほとんどいない。彼らを雇うと1日1万かかる。作業が終わったのでもう帰したはずだ。


「お? タビラ殿、お目覚めかな。もうすぐ準備が整うぞ。席に座ろう」


料理を運んでいたモルディがやってきた。


一緒にトメ、ドネリー、ネメがいる席に向かう。


「おう。タビラよ。検査は終わったぜ」

「タビラ殿。今回は助かったよ。でも、報酬の件で少し話しがあるんだ」


「まあ、まあ、話もあるだろうが、まずは、宴会を始めよう」


・・・・


宴会が始まった。


お酒は例の薄いワインだ。缶ビールと缶チューハイは伏せておくことにした。


お酒が入る。


「やっと終わったぁ~。もうフラフラだよ、ドネリィ~」

「ああ大変だったなネメア」


あの2人。椅子では無く一緒のベンチに座り、尻を撫で合っている。そっとしておこう。俺が狙われているわけではないのだ。趣味は人それぞれ。


「おれは、魔力交換の時、尻がむずむずするんだぜ?」


「へぇ~」


ネメ、本名ネメア・ランカスターは、確か尻がぴりぴりするんだったか。


「僕たちはケツ協会の会員なのさ」

「そうだ、タビラ。お前の一発は効いたぜ。どうだ? お前もケツ協会に入らないか?」

「是非来てくれよ。君ならヒーローさ」


「・・・いや。遠慮しておくよ」 何だよ。ケツ協会って。


「夜会も楽しいぜ?」

「気が変わったらおいでよ。いつでも待ってるからさ」


「それにしても、ここの料理は珍しくておいしい」


今日の料理は、なかなか気合いが入っている。揚物、炒め物、蒸し料理、焼き料理が並んでいる。


「ああ、俺の領地にも欲しいくらいだぜ」


「この料理は日本人に作ってもらっている。今回、お店出したいけど出店が決まってないって人も居る。聞いてみたら?」


「おお、そうか。後で紹介してくれ」


「そういえば、タビラぁ~。ひどいじゃないか。君への報酬、2千万の計算になるじゃないか」


そういえば忘れてた。鬼のインパクトが強すぎて。


「メーター1万だが、俺の仕事は石を歯抜けで置いて、後は適当に手伝ったけだからなぁ。2千万は取り過ぎかもな」


「そうかい? 助かるよ。親父は全部出してもいいって、言ってたんだけど、その代わり僕のお小遣いを減らされるとこだったんだ」


「いや、待て。やっぱ全部出せ」


「え~。夜会に出てくれるなら出すよ。親父が全部出していいって言ってるのは、君をランカスター陣営に引き入れたいってことなんだ」


「・・・2千万はいらない」


ケツ協会のイメージが強すぎて憚られる。


「石のボリュームやら何やら考えると、ストーンなら600。ランカスター通貨なら700でどうだい?」


ドネリーをみると、『まあ、そんなもんだろという顔をしている』


「そんなに欲張るつもりは無いんだが、ランカスター通貨とはなんだ?」


「貴族通貨かい? 厳密には通貨じゃないんだ。貴族家が発行できる証券のようなものだよ」


「では、ランカスター通貨でその辺のものは買えないけど、ランカスター家に持って行けば同額のストーンに買えてくれると?」


「そうだね。厳密には両替や引き落としの際に少しの手数料を頂いているけどね。でも、すぐに使わない現金とか、手元に置いておいたら危険だよ?」


預金銀行みたいなもんか。無いと思っていたけど、こんな裏技があったとは。


「換金所は何処にでもあるのか?」


「ランカスター領に数店とランカスター領、タマクロー領と王都に1支店ずつあるね。うちは堅実経営だから安心だよ」


「ああタビラ。ランカスター、タマクロー、それとうちのブレブナーの貴族通貨は安全だ」


「そうさ。伝統的な貴族家の通貨だからね。価値はストーンに連動させているし、金融業や投資では殆ど儲けていないよぉ」


「ふん。貴族は公共事業で働く、それから戦争に勝つことが仕事だからな」


「へぇ~。貴族にも色々あるんだ」


「そうさ。タビラも商売をやるなら気を付けるんだよ。堅実に、額に汗を浮かべて働くのが一番の幸せだよ~。でもさ、新興貴族はそうでない者がいるからね」


「貴族の権力の源を、経済力と勘違いしている奴らが増えている。金融なんて、失敗したら一環の終わりだからな。伝統貴族はあまり賭け事はやらんのだ」


リスクヘッジの整備が甘い世界なのだろうか。


「そうだぞ。うちのバルバロ家なんて、貴族通貨すら発行していないんだ」


「お前の所は、無借金、無担保主義だからなぁ。ある意味すごいぜ。貧乏だが、誰からの制約も受けんからなぁ。軍隊も強いのを持っているし。食料は豊富だし。ある意味最強だ」


「そうだぞ。すごいんだ」


「う~ん。この国の物流や選択の自由がどの辺まで認められているのか知らないけど、幸せそうでいいなぁ。バルバロ」


「そうだぞ。私の婿にしてもいいんだぞ?」


「いや、婿はいい。一度旅行には行きたい。ま、分かった。ランカスター通貨700万でいい」


「助かるよ~~~タビラぁ」


「というか、おれが思うに、優秀なクレーン役の日当が強制労働者と同じなのはどうかと思うぞ? タマクロー家大丈夫か? それからな、俺からもお礼とわびの印に少し出す。100万をブレブナー通貨で払うぜ。受け取らないなんていうなよ? こちらはそれ以上の利益があがったんだからな。ははははははは」


・・・・


「締めにどうぞ」


「こ、これは、ラーメン! 出来たんですね。ついに」


元ラーメン屋の築地さんがラーメンを運んできた。いい匂いだ。ついに出来たのか竜骨ラーメン。


この豚骨の匂い・・・いや、竜骨か。


ほんのり香るコショウとネギの香り。表面の油。焦がしたニンニクっぽい香り。


麺を一口分箸でつかみ、スープと絡ませ一気にすする。ズズズズゥ。・・・うまい。


「うまいですよ築地さん」「ありがとう」 作者の築地さんも嬉しそうだ。


「これはどんな料理なんだ?」


「麺料理。この小麦粉を細長くした麺とスープを絡めて一気にすすって食べるんだ」


「ほぅ。ズズズズゥ。・・・うまい。おれは好きな味だぜ」


「音を立てるのは少し下品ではないかい?」


「まあ、こういう料理だ。音を出さなくても食べられるが、立てた方がおいしい。スープが飛び散らないようにすするのがコツ。ズズズズゥ」


「へぇ~。そんな料理があるんだねぇ」


「私もこれは好きだな。米と一緒に食べたくなる」


ラーメンは日本人としては十分合格点だった。ドネリーとモルディは2人してずるずる吸っていた。そして、モルディ。ラーメンと米の食い合わせは正解だ。ネメアは少し遠慮がちだった。


まあ、好みは人それぞれ。食後にドネリーに築地さんを紹介。さっそく商談をしていた。この世界にもラーメンが広がってくれると嬉しい。


これにて宴会はお開き。


「おう。お前ならいつでも遊びに来ていいぜ。おれはしばらくブレブナーの領主邸に居る」


「僕もさ。僕は領主ではなく、ランカスター家の邸宅にいるよ。協会の件、よろしく頼む」


「私の家はタマクロー領だからな。明日にでも来てくれていいぞ? 屋敷も綺麗になったしな」


その後、移動砦の中で、モルディに洗浄魔術を使ってもらった。モルディとのこれも最後かな。少し寂しいと感じてしまった。


・・・・


その夜。


日課の娘ノートチェック。

温泉アナザルームに入る。


「お、いただいておるぞ!」


イセがまた勝手に露天風呂に入っていた。この鬼は・・・まあいいか。


「別にいいぞ」


「ああ、そういえば。多比良、少しいいか?」


「どうした?」


ざばぁ。

鬼が上がってきた。


いい上がりっぷりだ。ぶるんぶるんしている。

反射的に昨日の匂いを思い出してしまった。やばい。堅くなりそう。


「マ国の石けんと洗髪料を置いておいたぞ。ほれ、ここだ」


洗体場所のカラン横に瓶が2つ。


「こちらが石けん。こちらが髪を洗うヤツだ。お主も使ってよいぞ」


「ああ、ありがたい。ここの石けんって、髪を洗うのにあまり向いてないからな」


「こちらも温泉を使わせてもらっておるからのぅ。どうじゃ。今日も一緒に入るか?」


「素晴らしい提案をありがとう。でも、今日はまだやることがあるから」


「・・さよか」


イセは、ざばざばと岩風呂に戻っていった。少し残念そうなのは気のせいか。


一応、嫁が居る身で他の女とノリノリで混浴するのは憚られる。口きいてくれないけど、うちの嫁。


俺は後ろ髪を引かれながら、リビングに向かう。


・・・・



リビングの総ウォルナット製のテーブル。


その上には、灰色の紙の束が積まれていた。


きたか。


5月6日 一面記事 『大量失踪発生200人以上 私立棚中学校運動会中』


それは、俺達がここに飛ばされた次の日、以降の新聞だった。


◇◇◇

<<八重>>


旦那と口をきかなくなって早3年。


あいつ、少し謝ってくれたら許したのに。

頑固だから。お互いにね。


異世界に来た時には流石に元通りになろうとしたけど、事情が変わった。


私には、ある目的ができた。


そのためには、旦那と仲良くしてはいけないのだ。なぜならば、あいつに浮気をさせるため。

旦那が、あのひねくれたエロ鬼を落とす必要がある。


試したけど、その方がうまくいく。


だから、旦那をうまくコントロールする。ほどほどにストレス溜めさせて、孤独にさせて、そろそろ、浮気OKというメッセージも送る必要がある。だって、なかなか浮気しないから。

離婚をすれば簡単かもしれないけど、離婚はまずい。なぜならば、離婚すると目的が達成できなくなる。


「さて、そろそろ、あのエロ鬼と邂逅したところ。うちとアナザルームも合わさったとこかしら」


「・・・」


「別にいい。旦那が浮気したところでどうってことない。子供も2人いるし、夜の方も枯れてる。むしろ、ヤルとこ少し覗かせてくれないかしら」


きっと、罪悪感と快楽でいい顔をするに違いない。ぞくぞくする。


「ああ、八雲立つ出雲の八重垣よ。櫛稲田姫よ。わたしと城さんに、四苦八苦を与えたまえ~」



#次章の予告


サイレンに戻ったおっさんが見たのは日本料亭旅館っぽい建物だった。

そこで、戦闘狂の大砲娘とおっさんが激突する。


そして、サイレンに蠢く新興貴族達。

何やら暗躍しているようだ。



サイレンに帰ったおっさんは、途方に暮れていた。

あの部屋が日本に繋がったっぽいのはいいけれど、どうしていいのかわからない。

嫁は相変わらず口きいてくれないし。


エロ鬼の猛攻に耐えるおっさん。頑張って日本に帰る方法を考えるおっさん。

そして、温泉都市ユフインの地で神聖グィネヴィア帝国とマ国両軍が激突する。


その時おっさんは・・・


次章『新興貴族の暗躍とユフイン戦線』


お楽しみに~

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る