父、救急搬送される…

 昨日、母と二人で親戚の家に行っていた父が、救急搬送されました。

 母から電話がかかってきて、声をかけても返事せず、意識を失ったままだと言うのです。

 暖房が暑いくらいで、汗までかいていたのに、厚手のジャンパーを脱がなかったのだとか。

 言葉少なだった父は、腕をテーブルに突っ張ったまま、後ろに上体を倒し、口をぽかんと開けて舌を出して、みんなが大きな声で呼んでも返事がないとのこと。

 救急車を即座に呼んで、母と一緒におじさんと従姉は懸命に処置に当たってくれました。

 ここ数年、父か母のどちらかが年末に入院したりしていたので、用心はしていたのですが、出先の不調は止めようがありません…。 

 とにかく、事態を知った私は、部屋にいた妹に連絡。

 灯油を買いに行っていた弟にも連絡して、母からの続報を待ちました。

 そのうち、おじさんから連絡があって、意識が戻ったことが知らされました。

 受け答えもしっかりしているとのこと。

 間もなく母からの連絡で、地元の病院ではなくS市の大きな病院に搬送される、と連絡がありました。

 私たちは準備を整えて、3人で弟の車に乗り、病院に出発。

 3人とも初めての場所だったため、スマホのナビで20分かけて病院に到着しました。

 救急搬送入口で厳重なチェックと書類を書いた後、待合室に通された私たち。

 そこには蒼白な母と付き添いの従姉が待っていました。

 事情を何度も何度も繰り返し聞いて、二人ともどうしてこうなったのか、はっきりしたことがわからない、という顔。

 父は心電図やMRI検査を受けて、今は点滴をしていると知らされたのでした。

 言葉少なに待つ私たち…。

 待合室は私たちの他に2家族いて、看護師と打ち合わせをしたり面会したりしています。

 1時間ほど待ったでしょうか。

 看護師さんが出てきて、「○○さんのご家族様」と呼ばれ、「検査の結果、何ともないので家にお帰します」と告げられ、思わず安堵のため息がもれました。

 母と弟だけ処置室に入って、詳しい説明をされ、遅れること10分ほどで父がしっかりした足取りで歩いてきて、私たちを見て笑っています。

 従姉にまずお礼を言って、愛想よく話すいつもの父でした。

 帰ることになったのですが、車1台で来たので全員乗れません。

 従姉が私一人で病院に残って、迎えに来てくれるのを待つと申し出てくれたのですが、そういうわけにはいきませんよね?

 そこで私も残ることになり、家族4人は先に帰って父を早く休ませることにしました。

 あとで妹が迎えに来てくれることに。

 その後、私と従姉はお互い割と立ち入った話をしました。

 特に彼女は息子さんを2人、先に亡くしているので、その当時のことを思い出したらしく、淡々とではあったけれども教えてくれたんですね。

 父にその時、とても助けられたのだと言っていました。

 私たちこそ、従姉には要所でお世話になったり、頂き物をしたりと、大変お世話になっています。

 今回も従姉がいてくれて、母がどんなに心強かったか。

 しんみりと、時には愉快にお話させてもらいました。

 弟が迎えに来たのは、1時間ほど過ぎた頃。

 どうしてなのかは外に出てわかったのですが、雪がまた降り始めていたのです。

 従姉をまず家まで送って、何度もお礼を言い、両親が彼女の家に行った目的のワカメを大量にいただき、家へ。

 帰り道、弟は父が意識を失うのは二度目だと言って心配していました。

 以前はお風呂場で滑ってどこか打ったらしく、やはり意識を失ったのですが、すぐに意識を取り戻して事なきを得たんですね。

 弟が人間ドックにぶち込むか、なんて冗談で言っていましたが、確かに検査ではっきりしないだけに不気味ではあります。

 さて、家に帰ってみると、一つ騒ぎが持ち上がっていました。

 父の財布が見当たらないと言うのです。中には免許証が入っています。

 弟が病院に確認しましたが、見つからず探してみるとの返答。

 …結局、母が従姉に電話をかけてみたら、彼女が看護師から財布を預かっていて、なくしては大変とポケットにしまってしまい、そのまま忘れてしまったらしく。

 今日、妹が仕事帰りに受け取りに行くことになりましたとさ。










 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る