青くて透明で小さいもの…

 昔から、青くて透明で小さいものに惹かれてきました。

 はっきりと意識したのは、中学3年生の修学旅行の時。

 上野動物園の売店で売っていた、ガラスでできた青い手のひらに乗る、ピラミッド型の置物でした。

 UENOと白く印字されていて、ちっちゃな茶色のクマがくっついていましたっけ。

 今でも机の棚に置いてあるのですが、印字やクマは取れてしまいました。

 なんとなく取っておいて、掃除のとき苦にもしないで避けたり、ペーパーウェイト代わりに手書き原稿の上に置いたりしていますね。

 青くて透明で…までなら、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』が大好きで、生誕100周年の折には、出生地・花巻の旅館に住み込みで働いたものです(唯一の武勇伝)。

 小学生か中学生の時にテレビ放送した、杉井ギサブロー監督のアニメから入ったんですが…最初は全然わからなくて(笑)

 銀河の描写がきれいだなぁ、美しい物語だなぁ、このままハッピーエンドかな?と思ったらカムパネルラが死んじゃうし。

 え~っと…一体何が言いたかったんだろうか?と不完全燃焼。

 アニメを観てそんなことは初めてで、ずいぶん困惑しましたね。

 後年、童話集を買って読み直して、「ああ、そういうことだったのか」と腑に落ちましたけど、その影響力たるや、単なる家娘に移住を決意させるほどでした。

 それで、宮沢賢治を生んだ土地の空気に浸り、休みの日には小説を執筆三昧するぞ!と思っていましたが、全然うまくいかなくて(笑)

 1作たりとも形になりませんでした。

 そんなことより見るべきものがたくさんあったんです。

 花巻の自然や街並み、文化、催し物、観光地…。

 もちろん、宮沢賢治記念館やイギリス海岸、バラ園、研究会など、もう見るだけで気持ちがいっぱいになってしまうわけですよ。

 羅須地人協会だけはめぐり合わせが悪くて行けずじまいでしたけど、後年行ったときは感無量でした。

 テレビでも、絵本の読み聞かせを放映していたりして、小さなテレビを食い入るように観ていたことを思い出します。

 1年で地元に帰ってきましたけど、その時に二度目の仕事の挫折もきれいに消えていました。

 ついでに、しつこかったニキビも完治していましたよ。温泉効果かな?

 余計なものを振るい落として、生まれ変わった気持ちで仕事や創作活動をしましたが、芽が出るまでに大病もしましたし、そこから20年近く経過しましたね。

 夢には気長なことが功を奏します。

 そんなわけで、青くて透明で小さなものに戻ると、最近Twitterで、宮沢賢治の世界をモチーフに雑貨を創作している作家さんがたくさんいることを知りました。

 文字通り素晴らしい作品群を生み出していて、もちろん、青くて透明で小さいものがいっぱい!見ているだけで幸せです。

 …欲しい気はするんですけど、あまり物は増やしたくないので買いませんが、陰ながら応援しています!

 頑張ってくださいね。

  







 









 

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