シても恋人になれない場合はどうすればいいですか?〜三大天と呼ばれる美少女たちが俺を落とす戦いを始めた件

ひつじ

プロローグ


 窓からさした白く美しい朝日に起こしてもらった。


 朝食のトーストは高級レストランに出されてもいいくらいの味がした。


 登校の足取りは非常に軽く、でぜにー映画のように歌い出したくなった。


 始業まではかなり早い時間。私は教室で、今か今か、と待ち構える。


「ふへへへ」


「結衣さ、どうかした?」


 話しかけられたので、声の方に顔を向ける。友達の愛ちゃんが怪訝そうに私に目を向けていた。


「どうかした、って、やっぱり? 私? 大人に? 見える?」


「いや、結衣の周りにハートが飛び散ってるんだけど。阻止円がハート型の菌にでも感染した?」


 愛ちゃんがそう言った時、ガラガラと扉の開く音が聞こえた。目を向け、彼の姿を確認すると、尻尾ふって餌に飛びつく子犬よろしく近寄った。


「湊くん、おはよ!」


 そう挨拶をすると、橘湊くんは


「ああ、おはよ、小野さん」


 と言って、自分の席に向かって行ってしまった。


 一人取り残され、内心首を傾げる。


 あるぇ? 私、昨日、湊くんとセックスしたよね?

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