謎のウルトラマン
絶坊主
第1話
ある冬の日、郵便局に行った時の話。
入り口近くの窓口で、受付で郵便物の発送を待っていた私。そこは小さい郵便局で、私が待っていた場所のすぐ側に出入口があった。
“無”になって待っていた私。
すると、入り口の自動ドアではない引き戸のドアが勢いよく開き、マスクにニット帽の男が駆け込むように入ってきた。
(すわっ!強盗かっ!)
“無”になっていたせいか、何故か強盗だと思ってしまった私。元ボクサーの本能からか、背後からの突然のアラートに「ジュワッ!」とは言わなかったもののウルトラマンのように身構えてしまった。
当然の事ながら、その男性は強盗なんかではなく、ただ単に急いでいただけ。身構えている私の横を通りすぎる男性。
身構えた気まずい私。
私は何事もなかったかのように、左側に置いてあったTVの国会中継を数十秒見ていた。
「お待たせしました!」
郵便局員の声で正面を向いた。
なんという“静”と“動”!
回りからは、突然、ウルトラマンのように身構えて、国会中継を見て、正面を向いた“謎の一周をした男”と認識された事であろう。
自分自身に笑けてしゃーなかった。にしても、あんな勢いで入ってきたらアカンわ。
謎のウルトラマン 絶坊主 @zetubouzu
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