«第零章»「精神同期」

«第零話»「平穏な日常に不穏な影」

「遅い!!!電話何回したと思ってんだ!!!」


やっぱりすげぇ怒ってる…無理もないか。


「ごめんって…」


「何してたんだ?一体」


言えるものなのかあれ

信じてもらえないような気しかしないんだが…


「えぇっと…なんて言えばいいんだろ…」


「…まぁいい、取り敢えずそこに座りぃや」


「あぁ…」


「んで、急に泊まりたいっつったんはなんで?」


「あぁ、それが…この手紙なんだけど」


そう言って家で読んだ手紙を渡す。

僕は最後まで読めなかったけどもう読む必要もないよな


「んを…何々………あー、成程…w」


「もうそろそろ疲れたし、家出ようかと思ってさ」


「まぁ良いんじゃない?暫く泊まってくといいよ」


「まじ!?ありがとぉぉぉ…」


やっぱり持つべきものは友だな。


「取り敢えず、何する?やっぱスマホの履歴見せ合いとか?」


「なんでそれが一番に出てくるの…って、ちょっと!勝手に取らないでよスマホ!」


「やりぃ、先手必勝!…んー…何々…ん?待って、乃蒼「infinity」入れたの!?」


「あ、えと、それは、その」


「やっぱり興味あったんじゃん!やり方分かる?」


「分からないしやる気もない!いいから返せって…」


「へいへい」


そう言うと京壱はスマホを投げてきた

危ないな、と思ったが返してくれたしいいや。


「取り敢えず、簡単なやり方説明だけしとくわ」


武器は

拳銃(回転式拳銃・自動式拳銃)、

マシンガン(重機関銃・軽機関銃・ミニミ軽機関銃・短機関銃・汎用機関銃)、

ライフル(アサルトライフル・狙撃銃・対戦車ライフル・対物ライフル・騎兵銃)、

散弾銃等基本的な銃や

日本刀、包丁、バタフライナイフ、フルーツナイフ、カッター、メス等

小さな刃物から大きな刃物に

手榴弾、爆弾、バズーカ等持ち歩き可能なものや戦争用の武器等選り取り見取りである。


…これのどこが比較的簡単なサバイバルゲームなのだろう。

もう武器だけでも頭がこんがらがってる…


ここに操作方法等が加わるとなると…あぁ考えただけで頭痛が…


「まぁ、操作方法に関してはこの左下の十字キーと右下の4つのボタン押して慣れる!以上!」


「えぇ…」


「っつってもどうせ乃蒼スナイパーライフルしか使わんだろ」


「まぁそやけども…ってなんで僕やるって事になってんの!?」


「まぁまぁ、良いじゃねぇか」


「いや、えぁ、ふぇ…」


「あ、あと簡単なプレイヤー設定の説明しとくわ」


いとも簡単に僕の話が僕抜きで進んでる

怖いね!!!


「先ず、1回もアプリを開いた事が無いなら最初に職業選別ってのがある

これに関してはもうほぼガチャみたいなもの。その職業にもなんか沢山種類があって」


《職業一覧》

旅人…40%

戦士…25%

魔法使い…20%

道具屋…5%

武器屋…5%

防具屋…5%


そう言いながら京壱は紙に職業となれる確率を書いていく。


「まぁこんな感じで旅人が一番多い職業。

なんか隠れ職業とかあるらしいけどなった人は見たことないな」


と京壱は続ける


…なんかここまで作り込まれてると楽しそうに思えてきたな


「あ、今楽しそうって思ったな?」


「げ」


「やっぱり!なぁ、1回だけで良いから一緒にやろうぜ!通信できるし…」


「はぁー…もう分かったよ…」


「やったぁあぁあぁ!」


多分、こうでも言わないと京壱は諦めない

だってそういうやつだから()


「へぇ、やっぱり名前は自分で決めれるんだ…」


「後から変更もできる」


「ほぇえ…」


はっきり言って、もう今の時点で普通に楽しい。

今までやってこなかったのが悔やまれるぐらい。

…なんかちょっと悔しいな()


「やっぱり名前はいつもの「@ai_gairi」?」


「まぁな、個人的に気に入ってる偽名だし」


「OK、因みに俺は「@one」だぜ」


「それ気に入ってるよな」


「因みにフレンド登録できるよ」


「おー…名前検索?」


「うむ、どうする?」


「一応繋げとくか」


「了解」


「お、やっと職業選別始まった」


「「ナニガデルカナナニガデルカナ」」


そこまでで僕…僕達の意識は途絶えた





─────やっと全員に毒が行き渡ったか…


───少し時間が掛かりましたが、これで実行できます


─────しかし、ここまでしてまでやる事なのかと今になって思い始めてきた…


───貴方がそんなこと言ってどうするんですか?…もう、後戻りはできませんよ


─────…分かっている。さて、精神同期の準備を始めよう


───もう完了しております。


─────…早いな。職業は確率通りにしたか?


───えぇ、全て完璧です。


─────…分かった。徐々始めるか。





───アプリと精神の同期、完了


────精神と身体の同期、完了


─────記憶と精神の同期、完了


──────では、どうぞゲームの世界を楽しんで下さい。

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