デレデレ同居編

第86話 初めての休日

 〜時は今に戻って〜


「改めて…健太くん、おはよ!」

「うん、おはよう。」


 あれから、一度自分の部屋に戻って着替えた鈴音がリビングに戻ってきて俺に挨拶する。

 ただ、さっきと違う点もある。起きてから時間が経っているのですずがいつもどおりになっている。つまりさっきまでのお寝ぼけモードではなくなっているのだ。


「どう?ちゃんと目は覚めた?」

「もうっ!健太くんの意地悪!」

 その差が面白くて笑いながら少しいじってみると、すずも覚えていたようでほっぺを膨らませながら恨めしそうに睨んでくる。


 が、もちろん本気で睨んでいるわけではなかったのですぐにそのほっぺたを引っ込ませると、ソファーにいた俺の隣に腰掛けて、

「えへへ」

 なんて気の抜けた声を出している。


 そんなすずを見て、

 ――かわいいかよ!

 と心のなかで叫びつつ、表面上は冷静に、

「どうかしたの?」

 と尋ねてみる。


 するとすずは、はにかんだような笑みを浮かべながら小さく、

「ちょっと甘えたかったから……とか?」

 と上目使いでぼそっと言った。


 そんな表情をしているすずに俺も照れながらも

「あーね」

 と返す。というか、俺はそうとしか返せなかった。


 同棲して最初のうちはお互い少し気まずい時間が続いていていた。しかし、同棲を始めて3日くらい経ったころからだんだん慣れてきて、今は以前よりも近い距離感になっていた。



 そして今日は同棲して初めての休日。


 これから生活していく上で必要となる家電などを買いに行くことになっていた。


 ――楽しみだな。


 隣で気を抜いた姿をしている婚約者すずの姿を見ながら、素直にそう思った。


「健太くん?」

「ん?今度は何?」

「顔、赤いよ?」

「うるさい。そんなすずも顔赤いじゃん」

「えへへ!お揃いだね!」

「……ばか。」


 すずに意趣返しをされた俺は少し拗ねながらも、先程俺が作ったオムレツを朝食として一緒に食べ始めたのだった。

 __________________________________________________________________

 今回も読んでいただきありがとうございました。


 この話から新章開幕です!


 今までにも増して砂糖度ましましな展開になっていくと思うので楽しみにしていてくださいw!


 星やハートを恵んでくれたらモチベーションになるので是非よろしくおねがいします!まじで。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る