第一章
出会い編
第1話 人助け
少年老い易く学成り難し ということわざがある。その意味は、
『若いうちはまだ先があると思って勉強に必死になれないが、年月というものはあっという間に過ぎて、何も学べないで終わってしまうから、若いうちから勉強に励まないといけない』という意味だ。
この間小学校の友達と卒業式で別れた気がするのに、もう3年も経ったのだなぁと感慨深げに森下健太は歩いていた。
今日は健太が入学する県立城北高校の入学式の日だ。初めて通る通学路を
「あのことわざの通り、勉強をサボらないようにしないといけないな」
や、
「クラスの中で浮くことなく、クラスメイトと仲良くなれたらいいな」
などと考えながら歩いていた。だから目の前にいるおかしい動きをしている女子に気づかなかった。
彼女に気づいた時彼女は歩道を抜けて車道に出ようとしていた。そして車が向こうから向かってくる。
「あぶない!」
そう言いながら気づいたら彼女の身体を抱えながら後ろに飛んでいた。尻餅をついておしりが痛んだが、どうやら彼女が車と接触することは避けられたようだ。
「いたたたた……じゃなくて!大丈夫でしたか?ケガはないですか?」
そう言って怪我がないか彼女の体を触って探しながら彼女の顔を覗きこむ。そして驚いた。
そこには美少女がいた。ミディアムのストレートの髪の中にいるのは、大きな目を丸くして口をパクパクさせている、どこか犬を思い出させるような顔の美少女だった。これはなんというか、うん、天使だな。
そうやって彼女に見惚れていると、彼女はどんどん顔を赤くしていく。
それを見た俺は可愛すぎる顔から、怪我の状態に意識を向け直す。
「やっぱりどこか痛みますか?大丈夫ですか⁉」
が、しかし。
帰ってきたのは
「あっ、えっ、ご、ごめんなさいっ!ししし失礼します!」
と言いながら走り去ってしまった。
おいていかれた格好になった俺はしばらくなぜいきなり走っていったのかわからなかず呆然としていたが、周囲の視線を見た時ハッとした。ずっと彼女の体を傷がないか確かめるために触っていたのだ。車と接触しそうだった下りを知らない人の目には俺がただあの女子を押し倒している変態のように見えたのかもしれない。現に、その視線は少しの嫉妬を除いてほとんどは非難の感情を含んでいた。
こんな状況に身を置いても俺の頭は冷静だった。
―――俺の高校生活、早速終わったかもしれないな―――
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作者のゴローさんです!僕自身初めての小説なので誤字・脱字があれば指摘していただけると幸いです!あと実際に小説を書いてる方!アドバイスを頂けると嬉しいです!これからよろしくお願いいたします!
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