辺境伯に会う
イリスがタブレットを操作してプラントを稼働させた。数時間後、タブレットのお知らせ音が鳴った。
「どうやら終わったようだな」
「そのようですね」
イリスはタブレットで、談話室に食料を運び込むようにロボットに指示をした。しばらくすると、ロボットが食料を箱に入れ運んできた。
「さて、マジックポーチに入れて行くかな」
「ですね」
「がんばるなの」
ライル達はイリスが待ち時間に持ってきてくれた、収納容量無限のマジックポーチに食料を収納していった。
「さて、作業は終わったし、行くとするか」
「ライル頑張ってなの」
「表にゴーレム馬車を用意して置きましたので」
「それて、もしかして俺が作ったやつ?」
「はい」
過去のベルトニア王国では、馬車ではなく空飛ぶ車が普及していたが、ライルが時代劇の影響で馬車を作っていたのだ。
「了解」
ライルはイリスやサクラに見送られながら、ゴーレム馬車で祖父の領地を目指し出発した。
辺境伯領の主都までの道のりは、警備がしっかりしているため平穏なものだった。
門をくぐり、城の城門までくると顔見知りの兵士に、祖父に会えるか聞きに行ってもらったら、すぐに会うとの返事だったので、私的な目的で使う応接室に向かい、今祖父と対面している
「久しぶりじゃの。ライル」
「はい。お久しぶりです。お祖父様」
対面の席に座っている辺境伯はいかにも武人といった体型で、独特の雰囲気を纏っていた。
「それで、わしにどんな用事じゃ?」
いきなり会ってくれたが、本来辺境伯は忙しいためいきなり本題に入った。
「実はお祖父様に食料を売りに来たのです」
「な、なに! 食料じゃと!」
辺境伯は驚き、孫の言ったことをすぐには信じれなかった。ルイベル子爵家は辺境伯の支援で成り立っており、食料を買い込む余裕がないのはよくわかっていた。
「はい。こちらです」
押し問答になるのも面倒くさいと思い、マジックポーチから少量の食料を取り出し、目の前に出した
「この食料どこで手に入れた? ルイベル領に余裕はないはずじゃ!」
ライルは辺境伯の協力を得るため、遺跡のことを説明した
「なんじゃと!! 神に認められて古代アイテムが使えるなんて、さすがわしの孫じゃ! 」
辺境伯は自分の孫が神に認められたことが嬉しくてしょうがなかった。
この後ライル達は食糧庫へ移動して、食料を全て放出した
「な、なんて量なんだ」
辺境伯は食糧庫に放出された食料の量に驚いていた。
「それで、お祖父様。いくらで買ってもらえますか?」
ライルに取っての正念場だ
「白金貨八十枚でどうじゃ?」
白金貨と聞いたライルは顔には出していなかったが、内心驚いていた。さすがは辺境伯家貧乏なうちとは違うと
「それでお願いします」
「わかった。驚きを表に出さなかったのは褒めてやるのじゃ」
辺境伯にはライルの内心などお見通しであった。
ちなみに貨幣は銅貨、銀貨、金貨、白金貨、とあり銅貨十枚で銀貨一枚だ。銀貨五枚で普通の生活ができる
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