第259話 家族と共に歩む幸せ

 更に月日は流れ、気が付けば息子は15歳になっていた。

 俺とヤーナは何と30代。

 あれ?息子が3歳の時、確か20歳だったから、12年経った訳だから32歳じゃないか!

 いやいや、自分の歳を忘れるとかどうなったんだ?

 え?若年性痴ほう症だって?いや、まだそんなんじゃねえ!


「はいはい馬鹿言っていないで、今日も執務よあなた。」

 安定のヤーナ。

 というか30歳を過ぎてなお女に磨きがかかっているとか、本当に同じ人間なのか?

「ヤーナと俺はどうやら別の人種だったようだ。」

 思わずそう独り言ちたが、ヤーナがそれを聞き逃すはずもなく。

「いくらクーンが転生者だからって、その体はこっちで産まれたんだから、同じ人種で間違いないわよ。」


 そりゃそうか。


 だがなあ、俺はこっちに来る前の記憶を引き継いでいる訳だからして、精神年齢は既に50代なんだよなあ。


 そんな俺も気が付けば新たな領地で領主をしている。

 おかしいなあ。

 確か親父達におしつ・・・・ゲフンゲフン、頑張ってもらっていたんだが。

 何がどうなってこうなったのか、つまりあれだ、領地がでかくなりすぎて、親父達は元々あった領地を中心として頑張っているんだ。

 で、俺はと言えば世界樹を植えちゃった場所を中心に、

「いくらなんでも植物を植えた責任は自分で取るように。」

 と親父からのお達しで・・・・何でこんなにデカくなったんだよ!

 既に雲の近くまで高くなっている。おかしい。もっと成長は緩やかなんじゃないのか?

 確か1日で数センチだったはず。

 幾らなんでも雲に到達する成長速度がおかしすぎる!


 クーンは勘違いをしていた。

 相手は何と言っても世界樹なのだ。

 既に地下深く根が張り巡らされており、根から大量の魔力を取り込んでいる世界樹は、成長速度もそれに比例し当初の数百倍に達し、一年で数百メートル、つまり1日1メートルほど伸びているのだ。

 流石に太さは目に見えて太く放っていないが、高さは別だ。


「ここまで大きくなっちゃったら、流石にお義父さまの言う事は一理あるわね。」


 過去の俺を恨むぜ!何で俺は世界樹を此処へ植えちまったんだ!


 だが恩恵を受けなていない訳じゃないんだな。

 この星にある世界樹を経由し色々な物資を輸出入できているんだ。

 だから本来この国で手に入らないものを手に入れられたりする。

 主にエルフから経由する、つまり成長しきった世界樹から得られる色々だ。


 一応、植えた環境でも世界樹から得られる恩恵は違うらしい。

「父さん、俺も日本に行ってみたいんだよ!」

 あーそうだよなあ。行ってみたいよなあ。


「お母さんが許可すればな。」

「そうねえ、久しぶりに行ってみてもいいわね。」

 ヤーナも行きたいようだ。


 ●  ●  ●  ●  ●


 新作のお知らせです。

 勇者召喚に応じたら、游者(ゆうしゃ)になっていた



 https://kakuyomu.jp/works/16817330650691493953/episodes/16817330650691601501


 という名の作品で、

 勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

 https://kakuyomu.jp/works/1177354055090326745/episodes/1177354055090465346

 に登場しました章努という少年が主人公の作品です。

 同じ登場人物も出てきます。

 既に4万文字の打ち込みは終わっています。

 是非ともご一読くださいますよう、よろしくお願いいたします。


 そしてこの作品もいよいよクライマックスとなりました。

 次回、完了となりそうです。

 もう暫くお待ち下さいますよう、よろしくお願いいたします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る