第258話 世界樹ネットワーク(仮称)

 こちらの世界に存在する世界樹には、信じられない機能が備わっている。

 樹木なのに機能が備わっているとは変なのだが、そうとしか言いようがないんだよな。


 機能とは何ぞ?

 そう思うだろう?

 どんな機能かと言えば、各地に存在する世界樹を経由し、物質を運搬できるのだ。

 そして双方向通信というべき、世界樹の中にある端末を用い、会話が出来てしまうんだ。


 樹木に端末って?そう思うだろう?

 俺もそう思う。今でもだ。

 だが世界樹の内部はハイテクの塊だったりする。

 但し世界樹は植物なんだ。


 ・・・・つまり俺の頭はどうにかなったって事だ。

 植物の中に機械とか、俺の頭はどうやらいかれたらしい。


『そんな事はないぞ?』

 モニター越しに、ディアナさんから慰めの言葉が届いた。

『何で植物なのにモニターがあるんだよ!』

 思わず突っ込んでしまった。

『世界樹とはこういうものだよ。』

『成程世界樹とは便利なんだね。』

 別の世界樹からホットラインが入った。

 因みに今生の別れをしたばかりのニールスにいからだ。

 おいおい少し前に二度と会う事はなかったと伝えなかったか?


 クーンは事実、ニールスと直接会う事は生きている間に実現しなかった。

 だがこうして会話はしていたりする。

 ぶっちゃけ今生の分かれと思っちまったあの気持ちは何だったんだ!


 そりゃあ25次元の珠?あれを使えば違う世界に居ても会えるんだが、そういうのとは違う!


 因みに世界樹はある程度成長すれば樹木の中に入る事が出来るらしい。

 実際俺の持ち込んだ世界樹がそうだ。

 本当に世界樹って生命なのか?

 人工生命とか・・・・やっぱり世界樹って謎だ。

 それに何であんなにデカくなるんだよ。

 そう言えばエルフの所にあった世界樹は、根の中も移動できたっけな。

 まだクーンに居にの世界樹は小さいが、フスタさんが付いていれば安心だよな?

「ねえクーン、そろそろご飯にするから、通信終わってよね。」

 ヤーナが・・・・もうそんな時間か。いかんなあ。

「わかったよ。」

 俺は通信を終えた。

 それにしても新たな発見が多すぎる。

 最近になって気付いた事の1つに、どうやら25次元の珠が世界樹と関連しているみたいなんだ。


 なんか世界樹の中に変な窪みみたいなのが現れて、珠が丁度収まりそうな感じだったから、ヤーナには内緒で一度珠をセットした事があるんだよ。

 すると変化があったから直ぐに外したんだよ。

 あれはヤバい。

 ちゃんと調べてからだな。

 まあ外れたからよかったが。


 注;他の星系や世界、はたまた別次元に存在する世界樹とやり取りする仕組みです。

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