第220話 事件発生だ!

 俺が100カラットオーバーの原石を発見した事で世間が大騒ぎになった・・・・だが意外な事に、それは長続きしなかった。


 同日、ニューヨーク州の小さな島で事件は起きた。

 そう、一昨日俺達が居たあの島、つまりリバティ島。


 俺達が危険を察知し、敢えて近づかなかった【世界を照らす自由】日本では自由の女神という名で親しまれているでっかい女性の像だ。


 何とあれが動いたという目撃情報と共に、動画が拡散、もう大騒ぎ・・・・


 最初はフェイクとか合成、誰かが作ったのだと思われたが、テレビ局の生中継でも動く姿が映っており、話題は一気にそっちに。


 まあ目立たなければいいんだけどさ。


 結局100カラットはオークション会社預かりになった。


 15カラットと20カラットを先ずは手放す形となったが・・・・


 まさやんが誰かと何かの交渉をしたらしく、何故か俺達はアメリカ人となっていた。


 どうやら戸籍を扱っている危ない組織が存在しているらしく、金を積めば適した歳の戸籍を用意してくれるらしい・・・・こわ!


 つまり誰かが死んでいて、死んだ事になっていない人間がいるって事だ。で、その人間に成りすます事になるらしい。

 一体まさやんって何もんだ?

 反社だったらこれ以上の関係は悩む所だ・・・・


「はあ?俺がヤクザやマフィアじゃないかって?馬鹿言っちゃあいかん。これはビジネスだ。そして俺の繋がりはそっちじゃなく、下院だ。金をちらつかせたらすぐに用意してくれたぜ。」


 アメリカ下院半端ねえ!

 まあ日本でも議員って何しているのか不明な奴も多いしな。

 怪しげな宗教と繋がっていたりとかあるからな。

 宗教とのつながりを公言していた議員達はいいが・・・・そういった党もあるしな・・・・、隠していた奴等って随分いたらしいしな。

 それはあかんやろ!という結果になったらしいが。

 これは俺がこっちの世界にやってきてからの出来事らしいから殆ど知らねえけどな。


 ああ、そうそうアメリカって日本と戸籍とか全く制度が違うのな。

 で、俺達はまだ12歳。

 16歳になってねえからこうしたごまかしも簡単らしい。

 出生証明書が手に入ればそれが俺達の身分になって、16歳になったら社会保証番号の手続きをしてカードが送られてくるようだ。まあ詳しい話は知らねえが。

 で、俺達は大した手間をかける事なく出生証明書をゲットできたらしい。


 まさやんに聞いたら、俺から預かった金の殆どをつぎ込んだとか。まあまだたっぷりあるからいいんだけどよ。

 それに一応反社に流れた訳じゃ・・・・アメリカじゃあマフィアか?流れてねえよな?


「ふーん、私はこれから【ヤーナ・コヴィントン】と名乗ればいいのね。」

「因みに俺は【クーン・エックルズ】となっていたな。」


 手に入れるだけでもすげえのに、名前まで探してくれるとか・・・・


 これは喜んでいいのか駄目なのか?

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