第123話 今後の事

 結局生きた魔族を確保できなかった。

 何故このような事になっているのか知りたかったのだが、全員死んでしまったものは仕方がない。


 そういえば親父達はこの地に逃げてきたって事だけど、どう暮らしているのだろう?

 俺はぼんやりとそんな事を考えていた。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 寝たらすっきりした。

「ずいぶんと寝ていたわね。もう大丈夫なの?」

「心配かけたなヤーナ。何だかすっきりしているよ。きっと魔力が不足していたんだよ。それが寝てる間に回復したんじゃないかな。」

「ふーん、じゃあ私も寝ようかしら?」

 俺はベッドから起きようとしたが、

「まだ寝ていたら?」

 そんな事を言いつつ、何故かヤーナはベッドに入り込んでくる。

「狭いんだから、落ちないようにしなさいよ!」

 狭いんだったら入ってくんなよ!

 と思うが、ヤーナの顔色はあまりよくなかった。

 仕方がないな!

「ほら、腕枕してやるから、ここに頭を置けよ。」

「ふ、ふーん、クーンのくせに気が利くわね!いいわ、あんたの腕で寝てあげるから光栄に思いなさいね!」

 そんな事を言いつつ、ヤーナはあっという間に寝てしまった。

 たぶん無理をしていたのだろう。

 ヤーナは、俺に対しては相変わらず口が・・・・だがやっぱりツンデレ最高!


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


「あらあら、二人仲がいいわね!ただこの娘さん御貴族様の子女なのよねえ。このままだと叶わぬ恋。何とかしてあげたいけれど、出自が農民と言うのはどうにもなりませんもの。ごめんねクーン。但しクーンは私達にはない何かを持っているから、後はまあ、自分で道を切り開きなさい、我が息子。」


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 く、苦しい・・・・何だこの胸の苦しみは!


 しかも拘束されている?

 俺は身動きが出来ない上に、呼吸すらままならない。

 目をあけても何かに塞がれている。

 俺は何とかしようともがいたのだが、

「い、痛い!もっと優しく触ってよ!」

 その瞬間俺の両手は何とか自由になった。

 そして目の前にある何かを持ち上げる。そう、まずは顔だ。呼吸を確保したい。


 むにゅ


 何だか柔らかい何かが・・・・

「痛いって言ってるでしょ!」


 俺は落ちた。


 どうやらヤーナは、俺の頭を抱き枕に寝ていたらしい。

 だから俺の顔がヤーナの最近自己主張してきて「ストップ何も考えない!」いる・・・・前にも同じような事があった気がするが、気のせいか?


 99話参照


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 食事の用意が整っているとの事で、久しぶりに家族と顔を合わせる。

 親父とは顔を合わせたが、2人の兄と姉とはまだ会ってなかったから、今こうしてテーブル越しに再会をしている。


「食事をしながら聞いてほしい。何とか魔族を撃退する事はできたが、魔族の目的が分からないから今後も襲われる可能性がある。そこで今後どうするか、この場に居る全員が、家族単位で話し合ってもらっている。そういう事で、どうすべきと思う?」


 親父のアバウトすぎる質問。

「なあ親父、どういう選択肢があるんだよ!この場に留まるのか、別の場所へ避難するのか、それとも魔族の領地に攻め入るのか?」


 既に答えは決まっているかもしれないが、聞いてみた。


「特に決まっていないのだ、クーンよ。」

 意外な事に決まっていなかった。


 この後色々な意見が出たが、これと言った決定的な案が出ないまま、食事が終わった。


 まあぶっちゃけ幾つか案はあったが、


 1:この場に留まり、もっと壁を高く厚くし、備える。

 2:この場を去り、別の場所へ避難する。

 3:魔族へ此方から打って出る。

 そして

 4:滅んだ3領に戻る。


 と言う意見が概ね出たようだ。

 これは他の家族も同様、非現実的な所では降参すると言うのがあった。それもう終わっているから!




●作者からのお願い●


異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

を読んで下さりありがとうございます。


読んで下さる方にお願いがあります。


今後に期待!

面白い!

もっと読みたい!

そう思って下さる方がお見えでしたら是非評価の程を宜しくお願いいたします。

☆☆

☆☆☆

とあります。


モチベーションの維持に欠かせませんし、活力が湧いてきます。

それに皆さまがどのように感じておられるのかの判断材料になりますので、是非ともお願いいたします。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る