第118話 ポチの先導で

 ポチの先導で目的地である・・・・地名は何だっけ?・・・・クツーゴ・リーバクーヨ・ギーコアの領地だった場所から逃げ出し、避難している人々の所に向かっている。


 魔族に襲われているらしいが、魔族って確か以前一度相まみえていたっけな。


 人と変わらなかった・・・・あ!確かセバスチャンが見抜いていたけれど、セバスチャン置いてきた。

 まあ故郷の人間と、見知らぬ敵の区別ぐらいはつくはず。

 だが実際に対峙しないとわかんないんだよな。


 そんな事を思っていたんだが、流石はポチ。

 伊達で魔境の向こうを縄張りにしている訳じゃねえって事だな!


 お陰で魔物に出会う事無く一直線だ。


 そう言えば、この世界には飛行する乗り物はないのか?気になったのでヤーナに聞いてみた。

「飛行する乗り物?あるわよ。」


 久しぶりの【異世界あるある】!

もしかして【ラ△ュタ】もあるのか?それとも【イ★ス】か?

空の上の都市か。何だかロマンがあるな!

いや待て、飛行船ってどんな姿なんだ?


「見た事ないぞ?仮にも俺達が拠点にしているのって王都だろう?国で一番の都市じゃないのか?」

「何ていったらいいのかしら?空を飛んでいたら魔物に襲われるのよ。」


 あーなるほど。

 何となくわかった。

 飛行船なんかは魔物対策をしておかないと駄目なんだな。


「王都ってほら、天馬とかワイバーンが飛んでいたりするから危険なのよ。」


 空は危険がいっぱい・・・・って俺結構天ちゃんに空を駆けてもらってヤーナとデートをしていた気がするんだけど、あれはそんなに危険だったのか?


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


【もうすぐ着くぞ。】


 ポチから連絡がきた。


 俺はどうやら寝ていたようだ。

 何故って?

 従魔が自身の能力以上の行動をしようとすれば、他から魔力を得なければならない。それが今回は俺だったのさ。


 そのせいで俺は魔力が枯渇、そのまま寝てしまったらしい。

 そうなると移動速度が落ちるのだが、それでも徒歩で一ヶ月近くかかる行程を、半日ほどで済ませられるとか、まさにチートだな。


【どうやら戦闘中のようだな。】

 確かに音が凄い。

 武器で戦っている人もいれば、魔法で戦っている人もいる。


 しかしまあ、これは言われなくてもわかる。

「よしポチ、追い返すぞ!」

【ブレスを放つ!!】


 ポチはどうやら空からでもブレスを放てるようだ。


「味方に当て・・・・いや、危害を加えるなよ?」

 当たらなくても火傷しそうだからな。


「よし!ポチが攻撃を始めたら、全員それぞれの判断で攻撃してくれ!あとできれば救助を優先してほしい!という訳で俺は先に行く!」


「あ!ちょっと!駄目よ!」


 俺はヤーナが止めるのもお構いなしに台車から飛び降りた。

 そのまま地面から土をせり出させ、俺を支える土台にした。

 で、ある程度勢いを殺したまま地面に到着、周囲を見る。

 人がいるのはもう少し先だ。




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