　結局調べると、クラン【一騎当千】所属の【疾風怒濤】というパーティーメンバーという事が分かった。

　冒険者ギルドと国の双方立ち合いの下、身柄を引き渡した。

　クラン【一騎当千】の責任は重大だが、実は現在クラン【一騎当千】の主だったメンバーは、最近になってダンジョンの攻略に乗り出し、この場にはいない。

　申請では数ヶ月戻らないようだ。

　70層まで攻略が進んでいるダンジョンが王都の近くには存在し、そのダンジョンの71層以降の攻略を目指しているらしい。

　何とも中途半端な状況だ。

　そして今回はセバスチャンにこの場を任せ、俺とニールスにいはポチの先導で、俺達の故郷に住んでいた農民、その人達が避難した先が魔族に襲われたという、そしてその中には父や母、兄姉が含まれているかも？という事で急ぎ確認と、可能であればそのまま救出すべく準備をしている。

　そしてヤーナとフロリーナ、マースは俺と行動を共にする。

　ティーデとヒセラだが、今回はお留守番。

　ディーデリックとサスキアが今回の【一騎当千】関連の実質的に責任者みたいなもので、2人はその補佐をしてくれる。

「こちらは任すがいい。我ら王族の誇りにかけて、何故このような事態になっているのかを調べ上げてみせる。」

　ディーデリックは相当今回の件に関し、思う所があるようだ。

「そうですわ。兄さまが本気になれば問題は解決したようなものですし。」

　ティーデとお付き合いを始めたとはいえ、まだまだ兄さまラブらしい。

「みんなに会いたいけれどこっちも大事だから、ニールスにいもクーンにいも頑張ってね！」

　相変わらず何ていい弟なんだ。

「ティーデこそ行きたいだろうに済まんな。」

「クーンにい、そんな事言わないの！さあさあ、ここは任せて行ってきてね！」

　最近頼もしくなってきた我が妹。言っておくが嫁には出さんぞ！え？相手が王族だったら玉の輿だって？うぐぅ・・・・

「ヒセラも気を付けるんだよ。【一騎当千】の目的がどこにあるのかわからないからね。あまりにも中途半端すぎる色々な介入も理解しがたいし。さあクーン、準備は終わったよ。出発しようか。」

　ティーデもヒセラもしっかりしてきて、兄としては非常にうれしい。嬉しいが微妙だ・・・え？未練がましいって？

「ニールスにい、ありがとう。じゃあ出発するよ！ティーデにヒセラ、後を頼むよ！セバスチャンも何かあればすぐに従魔で知らせを！では！」

　今回は空から行く事になったので、ポチの先導で天馬と共に向かう事に。

　万が一があると困るので、主だった従魔の半数はこの場に残す事に。

　因みにシロは連絡手段？として何かあれば地脈から俺達と拠点を往復してくれる事になっている。但し今から向かう場所が分からないので、地脈からポチの気配を辿ってついていくようだ。

　これらはヤーナやフロリーナのわんこ（フェンリル）達も同行している。

　そして天馬には沢山の人が乗る事の出来る船みたいな台を用意してあるんだ。

　前回使ったのをさらに改良し、もっと安全に、しかも乗り心地がいいようになっている。

　何かあれば、従魔による救出があり得るからな。

　何事もなければいいのだが。

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