第109話 一騎当千の闇
この場に居合わせた住民や兵士、そして一応冒険者ギルドの職員に事の顛末を伝えた。
職員にはディーデリックとサスキア監視の下、正式な書類を作成、冒険者ギルドを含め全ギルドへ発信させた。
これで今後の反応と対応がどう変わるかだ。
後始末も終え、王都へ戻る事になった。
最後に残ったのが・・・・
「これ、どうすればいいんだ?」
地面に拘束されたまま横たわっている12人のクラン【一騎当千】メンバー。
連れて帰る必要があるのか?
そうそう、手続きの間にフロリーナにはもう一つ仕事をしてもらった。
糞尿をまき散らし、魔物の汚物を俺達の目の前で・・・・俺も巻き添えにあったが・・・・やらかしていたからな、それを浄化してもらったのだ。
これに関しては冒険者ギルドで正式な依頼を出してもらった。
しかも指名依頼として、俺達が直接受ける事になった。
これで言い逃れもできまい。
そしてカードでこの12人が【一騎当千】所属と確認もした。
バカな事だ。
何が気に入らなかったのか知らないが、こっちはC級クラン。あっちは唯一のS級クラン。
だがこれでどうなるのか。陥落か?
俺は帰還の準備に取り掛かった。
そうは言ってもクランメンバー全員を【天ちゃんに】乗せるだけなのだがな。
後は冒険者ギルドの職員3人。
目の前の12人はわんこ部隊に任せた。
移動できるような拘束に変更し、シロ達に託した。
尤も途中で逃げだそうとも、カードで所属とかは把握しているから無駄なのだが、念の為にそう伝えておいた。
偽証している可能性もあるが、今回はカードを機械で調べさせた。
もし偽証していれば、これはこれで問題だ。
何とか疑いが晴れた訳だし、やっと戻る事が出来る。
白磁器の生産も止まってしまったし、全くいい事が無い!
「クーン、帰りましょ。」
ヤーナが俺の腕を取ってくれる。
なんだかいい匂いがするのだが何でだ。
「ああ、帰ろう。それにしてもヤーナっていい匂いがするな。」
「な、何?私って臭う?」
「臭うんじゃなくって、いい匂いがするって事だけど。つまり好ましいにお・・・・香りだな。」
「香りって・・・・あ、後でクーンが希望するなら・・・・さあ、帰りましょ!」
後で希望するってどういう希望だ?
しかし糞尿をまき散らかすとか、何だったんだ。
まあ日本に居た時にもこういった理不尽な輩は一定数いたしな。どこの世界でも居るんだよな。
こうして俺達は天馬で、拘束した連中はわんこ部隊が陰伏で連れて行ってくれた。
・・・・
・・・
・・
・
俺は王都の冒険者ギルドにやってきた。
そしてクラン【一騎当千】代表と向き合っている。
すまんが野郎の顔をマジマジと見つめる趣味はないんだが。
「クソガキの集団が俺達の仲間をはめてくれたんだってな!よくもまあこんな凝ったマネをしてくれたもんだ!」
いきなりの暴言。
「どうでもいい事ですが、既にこの件に関してはあらゆるギルドに伝えてありますし、カードを調べて言い訳の出来ないようにしていますから、今後の対応を間違えると大変な事になりますよ。」
俺はそうアドバイスをして建物の中に入っていく。
あの調子では、まだまだ問題解決には程遠そうだな。
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