第86話 セバスティアーン・テオドルス・ホフステーデ
本物の
俺はこの瞬間、とんでもない過ちを犯してしまった事を悟った。
これ死んだな。
一体何の事か?
それは国王陛下が自らの名を告げた事に起因するんだが、何故誰も言わなかったんだ!
「余がセバスティアーン・テオドルス・ホフステーデである。
俺はこの瞬間、固まってしまった。
国王陛下の名前がセバスティアーンだと!
待て!フロリーナにヤーナ、そしてセバスチャン!お前等貴族とそれに関わる者が、なぜあの時指摘しなかったんだ!
俺はこの時全身から異様な汗が噴き出すのを感じた。セバス何某の衝撃が大きすぎて、その後の言葉が頭に入らなかった。
だがそれを知ったか知らないか、王妃様の言葉が続く。
「
注:
俺は王妃様の顔と声に見惚れてしまった。
なので対応が遅くなった。
王妃様がしゃべっている時、国王陛下が抜刀したのに気が付かず、俺は吸い込まれるように王妃様の目を見ていたのだが、いきなり2人が目の前に現れたから驚くと同時に、危険を本能?で感じ、咄嗟に目の前に壁を作った。
因みに服のポケットに入っていた土の残りで壁を作った。
ポケットに仕舞っている土は浄化では取り除けなかったのが幸いした。
異世界あるあるで一番やばいパターン。
俺が
俺が何かをしたと勘違いしたのか、俺の存在が意味不明とか危険と判断、国王自ら剣を手にし俺を殺しに来るというパターンだ。
一応警戒はしていたんだが、王妃様の目で思考が変になった。だから王妃様の顔が目の前に来るまで気が付かなかった。
そして国王陛下の剣先が目の前に現れるまでは。
キ―――――――――ン!!!!
ドゴ―――――ン!
国王陛下の剣が俺の壁に突き刺さった。
そして王妃様が俺に何かを唱えたようで壁で防ぐ事に成功した。
だがその瞬間衝撃で俺は後方に吹き飛んだ。
何とか止められたが、まさかの2人掛かりでの襲撃。
俺は咄嗟に壁を変化させた。
一瞬で網状になり、広範囲で攻撃を防ぐ。
そして周囲に土をワイヤー状に形成した物で、俺の周囲でぐるぐると回転させる!
カキ―――――ン!
キュイ――――――ン!!
何故こうなる?そして何故誰も助けてくれない?
ひょとして俺は嵌められたのか?
だが国王陛下や王妃様に敵対した覚えはない!
むしろ王子と王女を助けた恩人のはずだ!
それにヤーナやフロリーナは?
それよりニールスにいとティーデとヒセラが俺の助けに入らないのに違和感を感じる!何かがおかしい!
何かお礼が?と少しだけ期待しつつ、爵位は勘弁してほしいなあとか考えていた過去の俺を呪いたい!
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