第20話 故郷が崩壊していた

 冒険者ギルドの受付の女性に何か言っているニールスにい。

 暫くすると受付の女性もやってきて、


「こちらが空いておりますわ、ニールス様。」

 そう言って案内してくれるんだけど、もしかしてニールスにいはこの女性と付き合っているのか?

 何故か腕を絡めているぞ?


「おい、腕を組む必要があるのか!」


 ノールチェさんが怒っているぞ!


「みんなついて来てくれ。それと申し訳ないがパーティーメンバーにあらぬ誤解を与えるので、できれば離れて頂けないでしょうか?」


「まあそうですの?仕方ありませんわ。」


 よくわからん女性だ。


「ティーデ、ヒセラ、ついておいで。」

 俺は2人に声をかけニールスにいについていく。


「ちっ!よくもぬけぬけと阿婆擦れが!」

 ニールスにいのパーティーメンバーからそんな声が漏れ聞こえる。

 女って怖いな。


 なんだかんだで個室に案内されたので入る。

 どうやらニールスにいは個室を所望したようだ。


 だけどなんで受付の女性はこの距離でわざわざ腕を組んだんだ?

 理解できん。どうやら付き合ってもなさそうなんだけど。


 全員が一応座る事ができたので、ニールスにいが話をしてくれるようだ。


「クーン、ティーデ、ヒセラ、落ち着いて聞いてほしいんだけど、まず僕達の家族、父上と母上、そして兄上と姉上とその子供なんだが、全員無事だ。」

 無事なら何故落ち着いてと?

「親父から連絡があったの?親父は何かあればニールスにいに連絡するって言っていたけれど。」

 俺はニールスにいに聞く。

「その通りだよクーン。ここまではいい知らせだ。だがこの後は悪い知らせだ。察しはついていると思うが、クツーゴ男爵領は・・・・滅んだ。」


 は?滅んだ?まだ俺達クツーゴ領を出発してから3週間とちょっとだぞ?いくらなんでも早すぎる!

「クツーゴ男爵は、俺達が出発してから3日後だっけ?魔境を超えるような事を言っていたけど、やっぱり魔物の逆鱗に触れた?」

「その事なんだけどね、クツーゴ男爵領はおろか周囲の2つの領地、リーバクーヨ男爵領とギーコア男爵領も同様だ。緩衝地帯を開拓していたのがいけなかったようだ。そしてなお悪い事に、クツーゴ男爵が魔境へ入ったと聞き、急ぎリーバクーヨ男爵とギーコア男爵も魔境に入ったとも聞いている。それがとどめだったみたいだ。」

「やっぱり恐ろしく強い魔物が現れたのかい?」

「父上の伝言だと、数体のドラゴン、それも上位種が数体やってきたようだ。領主とその取り巻き以外は皆一目散に・・・・いや既に領地から離れていたらしいから生き延びたようだけど、遠くからもわかるほど徹底的に領地は破壊されたらしい。ブレスで全て焼き尽くされたらしいと父上が伝えてくれたからね。」


 ブレスって。


「そして今、王都では魔境を超えた愚か者の事で大騒ぎさ。ああそれとね、父上達は王都とは違う方向に逃げたらしく、こちらには来ないようだ。」


 まあ生きていればそれでいいか。


 しかしこう言っては何だけど故郷に未練はない。これは今後ずっと王都で暮らせって事か?

 それに弟と妹の事もある。

 2人が、その前に俺が15歳にならないとだが、2人が15歳になるまで面倒を見てやらないといけないしな。



●  ●  ●  ●  ●  ●


作者からのお願い   


異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

を読んで下さりありがとうございます。



読んで下さる方にお願いがあります。


今後に期待!

面白い!

もっと読みたい!

そう思って下さる方がお見えでしたら是非評価の程を宜しくお願いいたします。

☆☆

☆☆☆

とあります。


モチベーションの維持に欠かせませんし、活力が湧いてきます。

それに皆さまがどのように感じておられるのかの判断材料になりますので、ぜひともお願いいたします。



●  ●  ●  ●  ●  ●

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る